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中学1年「六十二枚の天気図」【真理の探究、創造】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は
中学1年「六十二枚の天気図」【真理の探究、創造】の指導案はこうする!
このテーマで教材解説をします。

今日の内容項目は「真理の探究」
Aの視点で、小学校では5・6年生にしかありません。
小学校1~4年生にはない項目。

そう聞くと難しそうな感じがしますが、
ポイントを押さえれば大丈夫です。

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。


1 教材について

A 主として自分自身に関すること
「真理の探究、創造」
目標・・・・・真実を大切にし、真理を探究して新しいものを生み出そうと努めること。

「六十二枚の天気図」(光村図書)
日奈は夏休みの理科の宿題のレポートを悩んでいた。

テレビで「雨の不思議」という番組が気になり、録画した。

録画を何回も見直して、図などを写しながらレポート18枚にまとめた。

レポートをまとめて以来、なにかと天気のことが気になった。

そんなとき、台風が発生し、翌週には日本に上陸するおそれがあるというニュースが流れた。
それから日奈は朝起きると、新聞の天気予報欄を欠かさず見た。

さらに、日奈は物置においてある7月の新聞の束を持ってくると、天気予報欄を切り抜き、レポート用紙に貼り付けた。

そして、夏休み中、毎日、ずっと天気予報欄をレポート用紙に貼り付け続けることを決めた。

8月も半ばを過ぎると日奈は、天気図を見て、台風が発生しそうなことがわかっていった。

7月から夏休みいっぱいで、新聞の切り抜きは、62枚分、レポート用紙は30枚分となった。

2 内容項目と教材

・繰り返しますが、
この内容項目は小学校5・6年にしかありません。
抽象的でわかりにくい概念だからということでしょう。

・とはいえ、中学生にも難しい内容項目ですので、
オススメの方法があります。

「勉強」と「研究」のちがいを考えることです。
結論から言うと、
勉強は、答えがあるものを追い求めること。
研究は、答えがないものを追い求めること。

・これに尽きます。
では、勉強をする上で大切なことはなんでしょうか?
研究をする上で大切なことはなんでしょうか?

・2つに共通する心はなんでしょうか?
ちがう心はなんでしょうか?

・子どもたちと考えてみたくなりますね。

・では、日奈がしたことは、
勉強でしょうか。研究でしょうか。

・現代は、気象の研究が進み、
ニュースや新聞などで
情報を簡単に得ることができます。

・日奈は、テレビ番組をきっかけに
新聞を切り抜いて、毎日観察をしました。
ネットで調べたり、本で調べたら解決するかも知れない疑問を
自分で考えて、自分なりの問いをもったのです。

・つまり、日奈は「自分の中の未知の気象」という
予想ができないものに立ち向かっていった、
研究をしたということです。

・日奈の「不屈の心」にどうしても目が向いてしまいますが、
それだと「希望と勇気、努力と強い意志」の項目になってしまいます。

・「真理の探究」の視点にするためには、
☆日奈はなぜ、天気の推移を知りたがったのか。
☆自ら疑問を解決することは、どんなよいことがあるのか。
と、日奈の「問題を追及する心」に目を向けることです。

・日奈は、自ら課題を見つけ、その課題に向かって
解決方法も自分で見つけました。

・これはまさしく研究です。
答えがあるものを確かめるわけではなく、
答えがないものを、まるで草をかきわけながら進むように
観察をしながら追い求めたのです。

・毎日調べることは、簡単なことでははありません。
「自分で調べて、考えて、疑問を解決したい」という
強い心があったから、62日分ものレポートになったのです。

・こういった教材は、
架空のキャラが偉大なことをして、
自分とは全く違う世界の人だけどすごいな、
と自分とは別次元で考えてしまいがちです。

・しかし、日奈も結局は人間です。
自分の疑問を夢中になって解決する、という心は
子どもでも自分ごととして捉えることができます。

・例えば、好きなアニメについて
ネットで調べたり、絵を描いたり、
キャラクターについてノートに特徴をまとめることは、
「自ら課題を見つけ、解決方法を考えて、
答えのないものを追い求める」という意味では
日奈と同じです。

・研究とは、なにも大きなことではなく、
研究所で白衣を着て実験器具をもつ必要もなく、
自分が知りたいと思って、自分なりに詳しく調べたら
もうそれが研究なのです。

・そのときに、安易にネットで調べて答えを得ようとせず、
自分で本質を見つけようとした日奈の心が、
子どもに気付かせたいところですね。

・言葉を変えると、
勉強は、人が与えた課題を、解決すること。
研究は、自分が見つけた課題を、解決すること。
とも言えます。

・勉強と研究の違い、そしてそれぞれを表現する
ぴったりな言葉を子どもと話し合いながら
見つけてみてください。

3 導入

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