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5年「命」【生命の尊さ】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『5年「命」【生命の尊さ】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
『生命の尊さ』は、今回の指導要領改定の目玉の1つで、
重点項目として扱われている教科書が多いです。
背景には道徳の教科化のもとになった
「いじめの問題」があります。
この『生命の尊さ』をとおして、
自分だけでなく、
身近な人や自然の命の尊さについて
深く考える経験をさせたいですね。
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
「生命の尊さ」
5・6年の目標・・・・生命が多くの生命のつながりの中にあるかけがえのないものであることを理解し、生命を尊重すること。
5年生「命」(日本文教出版)
あらすじ
「命」宮越由貴奈作
命はとても大切だ
人間が生きるための電池みたいだ
(中略)
私は 命が疲れたと言うまでせいいっぱい生きよう
この詩は、11才で亡くなった宮越由貴奈さんが書いた詩です。
お母さんは次のように言っています。
5才のとき、がんと診断され、11才で亡くなりました。
テレビで流れるニュースでは、「いじめ」や「自殺」が多く、一緒に入院していた友達が何人かなくなりました。
ちょうど、院内学級で電池の勉強をしたばかりだった頃、この詩を書きました。
この詩を書いて4ヶ月後に亡くなりました。
11年という短いけれどもぎょうしゅくされた人生の中で得た、勉強の成果なのではないかと思います。
2 内容項目と教材
「生命の尊さ」はDの視点です。
Dの視点は、生命、感動、自然愛護など抽象的なものが多いです。
ですから、他の視点に比べて、言葉にしにくいことが多いです。
まとめの段階では無理に言葉にしようとせず、子どもの考えた内容や余韻を大切にしてください。
「命は大事」という、すでに知っていることを「だから大事なのか!」と理解を深めるイメージです。
まずは、この配列に注目しましょう。
「生命の尊さ」は、Dの視点で「難しい」と感じる先生が多い内容項目です。
しかし、5年生の教科書で2番目の教材として掲載されています。
この意味は、なんだと思いますか?
そうです。
『命』について、5年生になった早い段階で真剣に考えることで、「いじめ」を防止する学級の雰囲気を作ってほしいという願いが込められているのです。
決して簡単な教材ではありません。
だからこそ、早い段階で扱うことで、「命は尊いもの」「いじめは絶対にしてはいけない」という意識を根付かせることが必要なのです。
さらに、由貴奈さんは、命=電池と表現しています。
がんになり、入退院を繰り返していた由貴奈さんは、限りある命を大切に使ってほしいというメッセージを込めて、電池に例えています。
この教材を学習する5年生は、由貴奈さんとは状況が違います。
命に対する捉え方はちがって当然です。
そこで、「命=〇〇」となにか別のものに例えて、自分の命についての考えを語るようにしてみましょう。
例えば、
命=車のエンジン
どれだけ立派なタイヤ、車体などがあっても、エンジンがなければ走れない。
命はなによりも大切。
命=水
当たり前のようにあるけど、実はなくなったらとても困るもの。
まるで命は水のよう。
命=花
種から育って、芽になってつぼみができて花が咲く。
命は、たくさんの栄養と支えがあって、成り立つ。
このように、何かに例えることで、その子の命についての考えがはっきり出ます。
これまで命について真剣に考えたことがなくても、なにかに例える活動を設定することで、命に向き合うことになります。
このなにかに例える活動を設定して、子どもたちそれぞれの意見を聞いて、交流するだけでも十分命の授業になります。
こうすると、「難しい」と言われる「生命の尊さ」の授業も、ハードルが下がることでしょう。
まずは、授業をするあなたが考えを1つもちましょう。
命 = ○○
あなたは○○になにをいれますか?
3 導入
T:教師 C:子ども
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