6年『生きることをあきらめない』【よりよく生きる喜び】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『6年『生きることをあきらめない』【よりよく生きる喜び】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
「よりよく生きる喜び」
この内容項目は難しいんですよね~。
5・6年(高学年)にしかない内容で、
教材も1つか2つしかない。
授業をした後で、
「結局、なんだったの?」と
手ごたえなしで終わることが多いですよね。
今日はこの難しい内容項目を解説します!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
【よりよく生きる喜び】
5・6年の目標・・・よりよく生きようとする人間の強さや気高さを理解し、人間として生きる喜びを感じること
6年生「生きることをあきらめない」(日本文教出版)
あらすじ
ぼくは、接骨院で大津コーチと再開する。
ぼくは、コーチのお陰で、野球を続けることができていた。
大津コーチは、ALSという治療薬のない難病だった。
次の練習日、新しいコーチが、
「大津コーチは頑張っている。
最後の大会は、優勝をコーチにプレゼントしよう」と言った。
ぼくは、久しぶりに出ることができた試合で、右の足首を捻ってしまっていた。
最後の大会のレギュラーが発表され、僕は選ばれなかった。
でも、声の限り応援した。
大津コーチの奥さんも応援に来て、
大津コーチからの手紙を渡してくれた。
「足なおるからなおせ
あきらめるな
おれも生きる」
手と足は動かないけど、目を動かして書いたそうだ。
顔を上げると、夕焼けの空に、一番星が光っていた。
2 内容項目と教材
(1)内容項目について
「よりよく生きる喜び」という内容項目は、新学習指導要領になって初めて加えられました。
つまり、それほど実践が世の中にありません。
授業づくりに困っている先生は実は多いのではないでしょうか。
内容項目の目標をもう1度確認してみます。
①よりよく生きようとする人間の強さや気高さを理解し、
②人間として生きる喜びを感じること
①では、偉人や人として模範となる人について考えること、と言っています。
何について考えるのか。
それは強さと気高さです。
これは、どちらも心のことを指します。
心の強さとは、人によって定義が異なることでしょう。
つらいことにも負けない精神的な強さ。
優しさを発揮することで第三者に伝わる強さ。
いずれにしても、心の強さは人から教え込まれるのではなく、子どもが自分で気づくことが大切です。
気高さも同じです。
気高いと聞いて思い浮かぶ人物は誰ですか?
私は、
ドラゴンボールのベジータ・ピッコロ
ワンピースのゾロ
などが思い浮かびます。
自らの考えを大切にし、決して他人には強制をしないが、
自分自身には徹底して厳しく在り続ける。
そんなところでしょうか。
「プライドと誇りを兼ね備えている」と言ってもでしょう。
ベジータ、ピッコロ、ゾロなどは極端な例ですが、
誰しも心の強さと気高さをもっています。
そのような、人が本来もっている心の本質について、
教材で出てくる人を扱いながら、自分の心にも似たものがある
と気づくことが、この内容項目では大切なのです。
それが、②人間として生きる喜びを感じることにつながります。
困難にぶつかっても、人の助けや得意なことがあって、再び頑張ろうと思えることがあります。
自分で見つけた道を突き進むと、つらいこともありますが、やってよかったと思えることも多いですよね。
「成長したい」という気持ちは、人間が本来もっているものです。
その成長欲を満たしたとき、人は「生きててよかった」と思えるのです。
これは、欲しいものを手に入れたとか、
好きなものを食べることができた、
という短期的で一時的なものではありません。
長い時間をかけて、努力が実り、
成長が成就したと感じられるほどの
努力を注ぎ込んだときに、
「生きててよかった」と思えるのです。
おいしいものを食べたときに
「生きててよかった」とおいしさを表現するシーンがありますが、
あれはただの誇張表現です。
道徳的に考えると、本質とは異なります。
と、「よりよく生きる喜び」だけでもこれだけ説明が長くなります。
結局、どうやったらいいの?
はい、前置きが長くなりました。
結論を言います。
教科書の登場人物について「〇〇さんはすごいなあ。」と
自分とは別次元という感想をもたないような授業を心がけましょう。
また、「生きる喜び」は人それぞれちがう、ということも押さえましょう。
Aさんがこれに心を打たれるから、
BさんもCさんも同じようにそれを生きがいにする、という話ではないのです。
生きがいを見つけるのではなく、
「生きがい」があると、生きててよかったと心から思える。
そんな心の動きを議論できるようにしましょう。
偉人だろうと、有名人だろうと、同じ人間です。
成長したい欲もあるし、挑戦するときの恐怖もあります。
教材ではよい部分だけをピックアップして描かれていますが、
書かれていない裏の部分を発問で突いて、考える機会を設けることが、
内容項目に迫ることにつながります。
(2)大津コーチの喜びを考える
では、教材を見てみます。
①よりよく生きようとする人間の強さや気高さを理解しに重点を置いて考えましょう。
大津コーチは、気高いでしょうか?
病気に負けず、弘志も励ましています。
教材を読む限りは、そんな人であることが伝わってきますね。
病気になると、気持ちがふさぎ込み、自分自身のことだけで精一杯になってしまうことがあります。
でも、大津コーチは、強い意志を持ち続けた。
「おれも生きる」の一言に、
病気にも負けない精神的な強さももっていますね。
これらのことから、大津コーチの「喜び」について考えましょう。
・大津コーチは幸せだったのか。
・大津コーチの夢は叶えられたのか。
・大津コーチは、何をしているときが一番うれしいだろうか。
こういった発問で、人がなにかに打ち込むことのできる喜びを考えられるようにしましょう。
また、「希望」というキーワードも大切にしたいですね。
大津コーチの希望とはなんでしょうか。
「野球チームが優勝してほしい」
「教えた子たちが、たくましく育ってほしい」
このような希望を捨てなかったから、病気になっても、体が動かなくなっても、強い意志を続けることができたのです。
人は、希望がなくなったとき、人生という道を進む力を失います。
大津コーチは最後の最後まで希望を捨てなかった。
このことが展開や終末で触れられると、最高に感動する授業になりますね!
3 導入
T:教師 C:子ども
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