4年『マルガレーテ・シュタイフーテディベアを作った人ー』【希望と勇気、努力と強い意志】の指導案はこうする!
こんにちは。
今日は『4年『マルガレーテ・シュタイフーテディベアを作った人ー』【希望と勇気、努力と強い意志】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。
「希望と勇気、努力と強い意志」は、4つ単語が並んでいますね。
①希望
②勇気
③努力
④(強い)意志
道徳っぽい言葉が並んでいます。
1つの教材で4つ全てを扱うことは不可能です。
教材には必ず、重点があります。
その重点がどれなのかを最初に考えることで、教材研究がスムーズにいきます。
多くの言葉が並ぶ内容項目は、『重点』を考えるようにしましょう!
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
A 主として自分自身に関すること
「希望と勇気、努力と強い意志」
3・4年の目標・・・・自分でやろうと決めた目標に向かって、強い意志をもち、粘り強くやり抜くこと。
4年生「マルガレーテ・シュタイフーテディベアを作った人ー」(日本文教出版)
あらすじ
マルガレーテは、小さいころの熱が原因で、両足と右手が不自由になりました。
しかし、兄弟や友達に運んでもらい、元気に学校に行きました。
成績は立派なもので、特に算数が得意でした。
苦手な友達に算数を教えてあげると、とても喜ばれました。
マルガレーテは、大きくなると、お姉さんたちと裁縫を始めました。
大きなミシンを買い、右手用でしたが逆に座って使いました。
ある年のクリスマス、マルガレーテは小さい象のぬいぐるみを作ります。
それは、大人気になりました。
テディベアは、この会社が作ったものです。
社長となったマルガレーテは、小学校の時の友達ニーナに出会いました。
夫が亡くなって働かなくてはいけないんだけど、子どもを預けるところがなくて....というニーナに、「うちで働かない?子どもも連れてきていいのよ」と言いました。
マルガレーテは、会社を大きくするだけでなく、
困っている人や働いている人の力になるような取り組みをたくさんしました。
2 内容項目と教材
①「希望と勇気」について
「希望と勇気、努力と強い意志」はそれぞれ前半と後半でペアを作って理解しましょう。
つまり、「希望と勇気」で1セット、「努力と強い意志」で1セットです。
まずは「希望と勇気」について解説します。
人が希望をもつ時というのは、どんな時でしょうか。
☆プロ野球選手になりたい
☆いつまでも元気に生きたい
などが希望の例としてあげられます。
では、勇気をもつ時というのはどんな時でしょうか。
☆勇気を出して好きな人に声をかける
☆勇気を出して試験に挑戦する
つまり勇気とは、何かしらの目標に向かう強い気持ちと言えます。
勇気はゴールがあるから発揮できるのです。
そのゴール地点や付近のことを、希望と呼ぶのです。
希望があるから勇気がでる。
希望のない勇気は、ただなりふりかまわず勢いで行動しているだけです。
それは、道徳的価値が高い行動とは言えません。
②「努力と強い意志」について
次に「努力と強い意志」です。
これは「希望と勇気」によく似ています。
努力をしている時はたいてい、目標に向かって頑張っていることのことを指すはずです。
時々、このような言葉を聞きます。
「あの人は努力家だ。」
仮にその人が努力家だったとしましょう。
それは、いつの時点でそう言えるのでしょうか。
1回の頑張り? 1週間続けたら努力家?
「いやいや、1年は最低続けないと,努力したとは言えないでしょ。」と言う人もいそうです。
努力の内容によるので一概には言えませんが、共通しているのは、
『短い期間だけ頑張っても,それは「努力」をしているとは言えない。』
ということです。
努力とは長い期間頑張ることを指します。
その長い期間、気持ちが折れることなく、頑張り続けることができたのはなぜでしょうか。
自分自身が「目標を絶対に達成するぞ。」と思っていたからでしょう。
つまり、努力とは強い意志によって支えられるものなのです。
このように、「希望と勇気」、「努力と強い意志」は
それぞれ1セットなのです。
教材研究では、
①「希望と勇気」か「努力と強い意志」か、どちらが重点の教材か見極める。
②仮に「希望と勇気」だとしたら、『希望』はどの人のどの心か、『勇気』はどの人のどの心なのかを考える。(※「努力と強い意志」でも同じ)
③『希望』『勇気』それぞれについて発問を考える。
という流れに沿って行うと、本質を捉えた授業ができます。
では、今回の教材は、
「希望と勇気」「努力と強い意志」のどちらでしょうか?
結果、どちらでもよさそうですね^^
どちらかと言えば「努力と強い意志」に近い感じがします。
ということで、「努力と強い意志」に重きを置いて授業を展開しましょう。
③マルガレーテの目標はなにか
授業の柱として考えること。
それは「マルガレーテの目標はなんだろう。」です。
教材の中には、マルガレーテの目標は明確に書かれていません。
つまり、自分たちで考える必要があります。
では、マルガレーテの目標とはなんだったのでしょうか?
・立派な大人になること
・お世話になった人に恩返しをする
・あきらめないこと
・世界一の会社をつくること
・ぬいぐるみを作ること
なんとなく、しっくりくるものもあるし、ちがうものもある。
1つに決めることは難しいですね。
そうなんです。
マルガレーテの目標は1つに決めることはできないのです。
なぜなら、「それぞれの段階において目標がちがっているから」です。
例えば、子どものころは、算数を教えることで友達に喜ばれました。
子どものころの目標はなんだったのでしょうか。
・算数をもっとわかりやすく教えること?
・算数の成績を上げること?
・先生に成ること?
・人の役に立つこと?
・目標なんてない?
子どもたちと考えてみたいですね。
また、次のときはどうでしょうか。
◯ミシンを勝ったとき
◯ぬいぐるみが人気になったとき
◯会社を作ったとき
◯ニーナに声をかけたとき
それぞれで目標はちがうだろうし、ちがって当然です。
マルガレーテに限らず、人は成長の段階や人生の段階において、それぞれで目標を設定し、その目標に向かって努力して、階段を上がるようにステップアップしていくのです。
板書は大きな階段を描いて、マルガレーテのそれぞれのステップでの目標を確認していくといいですね。
このことから、次の結論が出てきます。
・目標はいつも変わる。
・目標に向かって努力して、また次の目標ができる。
・目標を立てることは終わりがない。
これらの結論が出たら、授業は大成功です!
3 導入
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