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4年「雨のバスていりゅう所で」【規則の尊重】の指導案はこうする!

こんにちは。
今日は『4年「雨のバスていりゅう所で」【規則の尊重】の指導案はこうする!』
このテーマで教材解説をします。

「規則の尊重」の授業のポイントは、かんたんに言うと
「きまりを守る大切さ」です。

では、きまりは、なぜ守らないといけないのでしょうか。
子どもの立場なら、
・怒られるから
・先生が言ったから
などがあげられるでしょう。

しかし、これは外圧的なもので
罰などの強制力から、
きまりを守る心が生まれています。

果たして、きまりとは本当にそうあるべきなのでしょうか?

きまりについて、
教材解説で考えていきましょう!

では、解説です!

1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ

順番に解説します。

1 教材について

C 主として集団や社会との関わりに関すること
「規則の尊重」
3・4年の目標・・・・約束や社会のきまりの意義を理解し、それらを守ること。

4年生「雨のバスていりゅう所で」(日本文教出版)

あらすじ
よし子は雨の中、お母さんといっしょにおばあさんの家に出かけます。
その日は朝から雨でした。
バスの停留所に向かうと、バスを待つ人達がそばのタバコ屋さんののき下で雨宿りをしています。よし子たちものき下に入りました。
遠くにバスが見えました。よし子は、雨の中へかけだすと、停留所の一番前に立ちました。待っていた人たちは、列を作って順番に停留所に向かって歩き始めました。
よし子が一番にバスに乗ろうとしたとき、お母さんに肩をグイとも持って後ろに引き戻されました。お母さんは何も言わないで、列の一番うしろに連れていきました。
バスに乗りました。もう席は空いていませんでした。
「ほら、ごらんなさい。」と言うつもりでお母さんを見上げました。すると、お母さんは何も言わずにじっと窓の外を見つめています。いつもなら優しく話しかけますが、今日は全然ちがうのです。
よし子は、自分がしたことを考え始めました。

2 内容項目と教材

「規則の尊重」とは

「規則の尊重」は、文字通り規則について考える項目です。
規則と言っても、いろいろな言葉に言い換えることができます。
ルール、きまり、マナーなどですね。

特に、ルールとマナーは大きくちがいます。
ルールは明文化されていて、みんなが守るべき最低限の約束事であるのに対し、
マナーは明文化されておらず、状況や場所によって異なるものです。

今回の教材「雨のバスていりゅう所で」で焦点が当たっているのは、
ルールでしょうか、マナーでしょうか。

この教材は、マナーについて考える教材と言えるでしょう。

正しい行動だけを考えない

マナーを扱った教材は、たいていの場合「正しい行動」を考えることが多いですが、それだけでは不十分です。

この教材は、「正しい行動」だけを考えるなら、
『列にはきちんと並ぼう』という学びだけで終わってしまうからです。

確かに『きちんと並ぶ』という価値観は大切です。
しかしそれは、45分かけて道徳で学ぶことでしょうか?
すでに知っていることではないでしょうか?

すでに知っていることを、45分かけて「確認」する授業ほど面白くないものはありません。
多面的・多角的な見方ができるような展開をしましょう。

よし子は悪い子か?

では、どうすれば多面的・多角的な見方ができる授業になるのでしょうか。

それは、「よし子は悪い子か?」という見方です。

どう思いますか?
・後から来たのに、順番をとばしている
・自分のことしか考えていない
・席に座れなかったら不機嫌になる

なんだかこう考えると、よし子は「悪い子」(というよりマナーがなっていない子)に見えますよね。

しかし、こんな見方はどうでしょうか?

「よし子は、お母さんのために一刻も早く席を確保してあげたかった。自分が座れなくても、お母さんの分だけでも席を確保したいと思っていた。」

もし、こんな考え方をしていたとしたら、よし子は「悪い子」と断定できるでしょうか?
むしろ、お母さん思いの「いい子」ではないでしょうか?

『規則の尊重』に『家族愛』が混ざってるから、比較できないでしょ。

そうなんです。
『規則の尊重』と『家族愛』という異なった内容項目が入っているので、単純な比較はできません。
しかし、『規則の尊重』という面だけで考えずに、『家族愛』もしくは他の内容項目の視点から教材を考えること、それがまさしく多面的・多角的な見方なのです。

なぜあえて複雑にするかというと、実生活では1つの事象に対してたくさんの内容項目が詰まっているからです。

例えば車の運転。
・道路交通法を守る『規則の尊重』・・・だけではありません。
・道を譲ってもらったら『感謝』のハザード
・細い道で子どもが歩いていたら徐行して離れて運転する『親切、思いやり』
・初心者マークをつけている車は自分のころを思い出して安全運転をする『相互理解』

このように、日常生活では1つの事象にたくさんの内容項目が詰まっているのです。
だから、道徳で多くの内容項目の視点から見つめて考えさせることで、物事を深く考える力が養われるのです。

列に並んでいる人は、怒っているのか?

話を教材に戻しましょう。
さらに多面的・多角的な見方をするために、他の視点で考えてみましょう。

先に列に並んでいる人は、はたして本当に怒っているのでしょうか?

ひょっとすると、「子どものすることだから・・・」と全く怒っていないかもしれません。
そうすると、お母さんが肩を引っ張って列に戻した行動は、間違いということでしょうか?

これも、スパッと答えが出そうにはないですね。
こんなモヤモヤする発問を、子どもにぶつけて一緒に考えてみたいですね。

3 導入

T:教師 C:子ども

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