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6年「日本植物分類学の父-牧野富太郎」【真理の探究】の指導案はこうする!
こんにちは。
6年「日本植物分類学の父-牧野富太郎」【真理の探究】の指導案はこうする!
このテーマで教材解説をします。
今日の内容項目は
「真理の探究」
Aの視点で、5・6年生にしかありません。
1~4年生にはない項目。
難しそうな感じがしますが、
ポイントを押さえれば大丈夫です。
では、解説です!
1 教材について
2 内容項目と教材
3 導入
4 発問
5 まとめ
順番に解説します。
1 教材について
D 主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること
「真理の探究」
5・6年の目標・・・・他国の人々や文化について理解し、日本人としての自覚をもって国際親善に努めること。
6年生「日本植物分類学の父-牧野富太郎」(光村図書)
あらすじ
富太郎は体がやせていて手足が長かったので、
仲間たちから「バッタ」とからかわれていましたが、
植物の研究に熱中していました。
彼は高知県の造り酒屋の家に生まれ、
祖母に大事に育てられました。
富太郎は、植物の研究者になりたいと思い、
19歳で初めて東京に行き、
植物の研究に必要な道具や本を買いました。
高知に帰ってからも植物学への意欲を燃やし続けました。
ある日、富太郎は「ムジナモ」という特殊な水草を見つけ、
この発見は世界中の植物学者を驚かせました。
ムジナモの花は世界的な発見として認められ、
富太郎の名前は世界に知られるようになりました。
彼はたくさんの新種の植物を発見し
「日本の植物分類学の父」と呼ばれるようになりました。
富太郎は生涯で四十万以上の植物標本を残し
「牧野植物学全集」「牧野日本植物図鑑」として
出版された彼の植物図は、今でも多くの研究に役立っています。
2 内容項目と教材
この内容項目は5・6年にしかありません。
抽象的でわかりにくい概念だからでしょう。
とはいえ、5・6年生にも難しい内容項目ですので、ポイントを押さえて学習する必要があります。
それは「勉強」と「研究」のちがいを考えることです。
結論から言うと、
勉強は、答えがあるものを追い求めること。
研究は、答えがないものを追い求めること。
これに尽きます。
では、勉強をする上で大切なことはなんでしょうか?
研究をする上で大切なことはなんでしょうか?
2つに共通する心はなんでしょうか?
ちがう心はなんでしょうか?
子どもたちと考えてみたくなりますね。
富太郎は、時が経つのを忘れるほど、
植物の研究に打ち込みました。
それは、使命感とも呼べる気持ちです。
みんなの知らない植物を採集して、世界に発表する。
そんな植物学者になりたい。
こんな思いから、富太郎は研究を始めました。
直接の記述はありませんが、
きっとこれまで、富太郎は
多くの失敗を重ねてきたことでしょう。
諦めてもおかしくないポイントがあったはずです。
教材になっているので、スーっと読み流してしまいますが
正解がわからない、本当に答えがあるのかもわからないような状態で
あれやこれやと方法を試す気持ちは
どんな気持ちだったのか、考えてみたいですね。
いろいろな工夫をする。
言葉で言うのは簡単ですが、工夫をするためにはアイディアが必要ですし、失敗してもめげないガッツも必要です。
また、「次こそ成功するぞ!」という勇気も必要です。
これらの気持ちがいずれも大きかったから、富太郎は挑戦を続けたのです。
そして、それらの思いを支える信念は、
「未発見の植物を見つけたい」という思いです。
自分の研究のためという思いもあったでしょうが、
それ以上に「みんなのために」という思いが強かったのです。
ということは、多面的・多角的に見れる教材ですね。
富太郎が植物の解明を続ける気持ちは、『真理の探求』
失敗の連続でもあきらめない不屈の気持ちは、『希望と勇気、努力と強い意志』
みんなのために研究を続けて、役立てたいという気持ちは、『親切、思いやり』
特に、富太郎の「あきらめない心」に焦点を当ててしまいがちですが、それは『希望と勇気、努力と強い意志』です。
そうではなく、富太郎がしたことはなにか。
研究をする上で大事な心はなにか。
このことを考えるのが「真理の探求」です。
この2つはよく似ている内容項目ですが、区別して子どもの意見を聞くようにしましょう!
この話は、エジソンの話ともよく似ています。
エジソンは白熱電球を発明する過程で、高温になり光る部分のフィラメントの素材で非常に悩みました。
あの素材を使ったり、この素材を使ったり、それこそ宇吉郎のように何度も失敗をしたそうです。
そしてついに見つけた、燃え尽きず、長い間光り続けた素材を見つけました。
それが、竹です。日本の竹が、エジソンの発明を作るきっかけになったのです。
このエジソンの例を出した後に、
『富太郎とエジソンの共通する心はなんだろう。』と聞いてみるのも面白いですね!
3 導入
T:教師 C:子ども
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