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通信制美大を即刻やめて53万ドブに捨てた話

授業料納めて終了した美大生活

会社員時代に通信制美術大学に入学し、1年で辞めた。
かかった学費は53万。受けた授業も取った単位も0。
課題は1つもやっていない。

本当に何もせずに辞めた。
入学金と1年間の授業料、資格取得用の授業料だけ払って辞めた。

入学手続きをした当時、わたしは契約社員。
手取りは月わずか10万円ほど。
地方で実家暮らしだったとはいえ53万円は大金だった。

何年もかけて貯めたお金とボーナスを一瞬でドブに捨てた。



しかしまったく後悔はしていない。
むしろ失ったお金で得た経験は、人生を考える大きなきっかけとなった。

今回はわたしが学費だけ払って通信制美大を辞めた理由と、
それによって得た経験について書こうと思う。

※通信制大学およびカリキュラムを否定する記事ではございませんのでご留意ください。


通信制美術大学を辞めたことを後悔していない理由

辞めたことを後悔していない理由は主に2つある。

・失った青春は戻ってこないとわかった
・自分に通信制は向いていないとわかった

わたしは小さい頃から絵を描くことが好きだった。
そのため漠然と絵に関する職業に憧れがあった。

しかし好きな漫画のキャラクターを見よう見まねで描く程度で、
絵はかなり下手だった。

ちゃんと勉強したことがなく、人体構造も知らなければデッサンも未経験。
上手く描けないのは当たり前である。


本当は絵の勉強をして、もっと上手くなりたい気持ちはあった。
だが当時の自分には挑戦する勇気も美大を選択する勇気もなく、親の反対もあったため家から近い文系の大学に進学した。


美大受験に挑戦しなかったことは社会人になってもずっと後悔していた。

「なんで毎日興味のない仕事をしているんだろう。
学生時代に美大に行っていればもっと楽しい人生だったはずだ。
これはわたしが本当にやりたいことではない」

そう心の中で言い訳することが増えた。

そこでわたしは今から美大に行くことを考えた。
社会人となり自分で稼げる今、自分の力で選択肢を増やすことができる。
このまま一生後悔していたくはない。

しかし今の給料では一般的な4年制大学へ行くことは難しい。

インターネットでいろいろ調べて見つけたのが通信制の美術大学だった。
学校案内のHPを見て「これだ!」と思った。

通信制であれば好きな時間に学習できるし、
昼間は仕事をして学費を稼ぐことができる。
通学制の大学に比べてかなり安いため、働きながらであれば充分支払うことができる。

わたしは自分の人生をやり直すことができると信じて、
すぐに銀行にお金を下ろしに行き学費を振り込んだのだった。


しかし、入学後も生活は全くと言っていいほど変わらなかった。


毎日興味のない仕事をして、帰宅後は疲れて勉強する気が起きずゲーム三昧。

行動を起こさない自分が悪いから当たり前なのだが、
今までと何も変わらない生活に絶望した。

通学制の学校と違い、入学したからといって友達ができるわけでもない。
今まで美術を学んでいないため知識がなく、課題の内容を見ても作品を作ることができない。

その状況になってはじめて、

「わたしは現状に納得いかなくて、学生をもう一度やり直したかったんだ。
でももう大人になってしまった。
高校生に戻ったつもりで進学先を決めたらいけないんだ」

とわかったのだった。


そしてそもそも自分に通信制の学校は向いていなかった。
先生が目の前にいて、緊張感がないと勉強することができない。
自分の部屋では見事に怠けていた。

大卒だったため、通信制美大は3年生として編入することができた。
本来は2年で卒業できたのだが、1年に1回しかないゼミの授業(卒業に必須の単位)を取り損ねて留年が確定した。

そもそも2年での卒業は難しいため、3年で卒業を目指す学生が多いと学校の情報を見て知っていたのだが、
薄給で3年も授業料を負担し続けるのは厳しい。

現状
学費も払えず、モチベーションも保てないと思ったため退学を決めた。

退学後の行動と発見

失った青春は戻ってこないと身を持って知ったため、
わたしは今できることを全力でやるという考えにシフトした。

絵の基礎といえばやはりデッサン。

デッサンは美大でなくても絵画教室で習うことができる。
そのため通いやすい地元の教室を探すことにした。

いくつかの教室の体験授業を回ったが、
小学生から社会人までが楽しく絵を描いている教室に通うことを決めた。
小学生が賑やかに話している雰囲気の中で絵を描くことはとても楽しい。

受験のような真剣な雰囲気で絵を学ぶのはわたしには向いていなかった。
ここで初めて、わたしは絵を切磋琢磨して学びたかったわけではなく、
楽しく絵を描き続けたかったと気付いた。

高校生のときに美大受験の予備校に行かなかったことは正解だったかもしれない。



そして通信制と自分で進捗を管理するのが向いていないと分かったため、
通学できる学校を探した。

仕事で疲れて何もしたくない状況を回避するため退職し、
雇用保険を受け取りながらデザインのキャリアスクールに通うことにした。

現役のイラストレーターやデザイナーがいるオンラインのコミュニティにも参加し、創作意欲が刺激されるような環境に身を置いた。


現在わたしはなぜかライターをやっているのだが・・・
(今後ライターになった経緯も書く予定)

デッサン教室に通いながらストックサイトにイラストを投稿して、
イラストレーターとしての活路も見出そうとしている。

新しいデザインのコミュニティにも所属する予定だ。


大金を失ってしまったが、今が1番楽しい。

まとめ


53万円という大金は失ったが、そのおかげで自分自身の生き方や稼ぎ方を見つけることができた。
通信制美大で勉強できなかったのは残念だが、自分に合った環境や勉強法を探すことができた貴重な投資だったと思う。

大きな出費は経験と話のネタになるし、
この出費は今後の人生の中でゆっくりと回収していこうと思う。


皆さんも恐れずに挑戦できることには挑戦してほしい。


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