
2022_0605_本読み
<1805字>
冒頭の写真:
5月の初めに公園で見つけていた、きのこの卵?の群落。
スッポンタケかな?と目星をつけていたのですが、先日、行ってみたら、ちょっと違うものが出ていました。
ツマミタケ、というらしいです(こんどは雨の直後のような時に来て、もっとイキイキした状態のを見たいです)。
『日本のきのこ (山溪カラー名鑑)』 に、可食・毒の記載がなく、ちょっと残念。
この図鑑は、食べられるきのこの味区分やどんな料理が適するかまで、筆者自身のコメントがあって、画期的です。(きのこの研究をしている人が素直に地を出してる感じがうれしい!)
(そういえば、この本も修理して使い続けてるので、どこかでそのことも書きたいです。)
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6月5日(日)は以下を読みました。
『虹の解体』 リチャード・ドーキンス 著
福岡伸一 訳
早川書房
第3章 星の世界のバーコード
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虹というものが見えている様子を詳しく描写説明してくれる著者の腕前はさすがです。
そして、一人一人が見ている虹は、違った虹である、というのは、驚きました。山崎の視覚に見えてる虹の青い光は、ある雨滴から出た光で、違う位置で見ている別の人の視覚には同じ雨滴から出る光は違う色い見えている、という理屈。
そんなこと、考えたこともなかったです。
科学が、詩を呼び起こす力、確かに感じますね。
(音読した人:山崎)
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『目の見えない人は世界をどうみているのか』
伊藤 亜紗 著
光文社
第4章 言葉 他人の目で見る
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喫茶店での著者のふとした一言で、
一緒に話していた「見えない人」は、
それまでは感触からガラスだと思っていたカップが
実は陶器製だとったと知り、
とたんに、頭の中のイメージが切り替わって、
透けて見えていた紅茶が見えなくなった、
というエピソードが、鮮やかでした。
山崎にも、
題名をつけたとたん、もうそうとしか見えなくなる、
という名づけの効果に気づいて、
題名や説明を考えることがすごく楽しかったことがありました。
だから、これは、わかるなーと思いました。それにしても効果が劇的。
(音読した人:こいでさん)
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『どうぶつたちはしっている』
マーガレット・ワイズ・ブラウン 著、イーラ 写真
寺村摩耶子 訳
文遊社
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原著は1944年、ニューヨークで出版さた、写真絵本の初期のもの。
動物の表情とことばが相まって、不思議な擬人感があって面白く、
そして、おちが、ええっ、それですか!という感じでした。
こどもたちに読んで反応を知りたいです。
(音読した人:はやしさん)
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『学問のすゝめ』 福沢諭吉 著
岩波文庫
十二編 人の品行は高尚ならざるべからざるの論
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この時代(つまり、1870年台半ば)の、インドやトルコの状況に言及。
古くからの文明先進地にして、かつて知力としても、兵力としても、世界最強といってもいいような権勢をほこった両圏域。
〈 今のインド人の業はただ阿片を作りて支那人を毒殺し、〉
〈 トルコの政府も(中略)商売の権は英仏の人に占められ(中略)国の物産は日に衰微し、〉
と書いています。欧米列強の恐ろしさを、すごく感じる文でした。
(音読した人:めいさん)
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『本の中の世界』 湯川秀樹 著
岩波新書
「私の短い自叙伝」
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大学を卒業する少し前に、このまま物理学をやっていてどんな意味があるのか、という気持ちにとらわれ、僧侶になろうかと2〜3日真剣に考えた、ということが書いてありました。
この「自叙伝」はひたすら自分の内向性について書いていて、この文をもって『本の中の世界』という題名の本を終わるのは、非常に相応しい、と感じました。
(音読した人:きよもとさん)
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『「これからの世界」を生きる君に伝えたいこと』
ウスビ・サコ 著
大和書房
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アフリカの優等生として留学する中国へむかう途中、
わずか数日滞在した(旧宗主国フランスの)パリで、
自国人の差別待遇を目の当たりにし、
たいへんなアイデンティティの危機に陥るマリ人の若者。
それがかつてのサコさん。
サコさんが、巡り巡って、日本人にならなければ、山崎は全く知りもしないことだったでしょう。サコさん、日本人になってくれてありがとう。
そのアイデンティティの危機から、
グローバル社会の中で、
どのようにしたら自分が認められるのかの追求こそが、
いままでずっとしてきたことだ、書いていました。
その話をいろいろ聞きたいです。
(音読した人:かみとまいさん)