見出し画像

2023_1101_本読み

<1239字>

冒頭の写真:
先週行った、魚津の埋没林博物館での写真です。約2,000年前の杉の林が土砂に埋まって保たれたのが発掘され、水の中でそのまま保存されているもの。海水だと腐ってしまうものを、山からの伏流水を送り込んで保っている、というその仕組みがすごいなぁと思いました。
名物の蜃気楼もそれなりに見えて嬉しかった。


11月1日(水)は以下を読みました。


『巨匠とマルガリータ』 
ブルガーコフ 著

集英社 世界の文学15 ロシア Ⅲ

ベズドームヌイと話続ける『巨匠』は、恋人からそう呼ばれたというあだ名だったのです。どうやら『巨匠』は生前の編集長ベルリオーズのところに小説を持ち込み、その首尾は悪かったみたいです。
編集部の秘書の描写〈いつも嘘ばかりついているために黒目がまんなかに寄っている娘〉という表現が面白かったです。

(音読した人:山崎)





『喜多川歌麿女絵草紙』 藤沢周平 著

文藝春秋

急に顔色を無くしたところとか、桃色の小さな舌をちょろりと出して、みたいな〈おこん〉の描写が、なにかアニメのように感じました。映画じゃなくて小説やアニメでできること、と感じるのは浮世絵が頭にイメージされてるからでしょうか。

(音読した人:こいでさん)





『日本幻獣図説』 湯本豪一著  

講談社学術文庫

人魚の続き。文化二年(1807)、宝暦七年、同九年(1757,1759)などの、越中や越後の海に(つまり富山湾から新潟沖)現れた巨大魚(11メートル)のような人魚。顔だけ長髪の女性というもの。深海魚リュウグウノツカイ説も紹介さてました。「悪魚」という呼び方もあって、結局は勇敢な漁師に仕留められるけれども、火を吐いたり、遠くから恐ろしい鳴き声が聞こえたり、実に恐ろしい「幻獣」です。

(音読した人:みこしばさん)





『私は樹だ』 松田 素子 著、nakaban イラスト

アノニマスタジオ

屋久島の杉にインスパイアされたお話とのことでした。
もちろん、冒頭の写真の埋没林のことを思いました。普段、木の上半分しか見えていないわけで、根が露出したときの迫力には驚かされます。
このお話では、木の小さな種を育てる苔や菌があとでは大きな木によって生きていることも言われていました。

(音読した人:はやしさん)





『犬が星見た』 武田百合子 著

岩波文庫

日付がはっきりしない(日本を出て9日目?)ブハラでの日。
夜、痒くて掻いているといろんなところが地図のように赤く腫れてしまう、頭の中に汗がいっぱい、向かいの建物からげろを吐く音。
旅が長くなってきて、の疲労や倦怠が襲い始めた頃、という感じ。

(音読した人:きよもとさん)





『漱石・子規往復書簡集』 和田 茂樹 (編集) 

岩波文庫

漱石の22通目は『明治豪傑譚』の評が長々とずっと続いています。
よほど印象に残ったものなのでしょう。初版が明治24年なので、まさに刊行されたばかりのものを読んでの、子規への手紙。

(音読した人:めいさん)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?