
2023_1014_本読み
<1139字>
冒頭の写真:
先週は大学で製本実習で一年ぶりに尾道へ。空き時間に18世紀に朝鮮通信使に大絶賛されたという、鞆の浦の福禅寺対潮楼を訪れました(その、非常に「べた」な写真です)。対岸の仙酔島にも行ったのですが、砂浜の波が静かなのがとても印象的でした。
その前に行った神津島で見た太平洋の恐ろしい波とすごく違っていました。
鞆の浦というところは瀬戸内海のど真ん中で、潮の動きが変わる境目だそうです。近世以前は、それに合わせて船を運行していたとのこと。
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10月14日(土)は以下を読みました。
『巨匠とマルガリータ』
ブルガーコフ 著
集英社 世界の文学15 ロシア Ⅲ
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紙幣がザクザク降ってくる、という魔術に観客が狂喜して群がってる中、ヴァラエティ劇場の司会者は「魔術は集団催眠の結果で、その種明かしをします」みたいなことを言った。が、その彼は、首を一捻りにもぎ取られ大流血。そのあと、元のとおり首を戻して、血も消えて、本人だけがいつまでももがれた首の幻想から逃れられず喚き続ける、という結果。
まさに「集団催眠」っぽいのだが、それにしてもどのように物語は進むのか。
(音読した人:山崎)
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『犬が星見た』 武田百合子 著
岩波文庫
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サマルカンド。財布を置き忘れてしまった、銭高老人はパニック的に。それまでとちょっと違った性格が出たのを逃さず書き表しているように感じました。同じことを繰り返す老女はぼけていると思われます。
読み手のきよもとさんは、いったい著者はいつ書いてるのだろうと考えてしまう、とおっしゃっていました。山崎は、日記の体裁だから、その日の夕べにでも書いているのかなと思いつつも、それをどのようにしてかまとめてはいるのだろうと思いました。印象的なやりとりが、こまかくわかる感じがあります。
(音読した人:きよもとさん)
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『漱石・子規往復書簡集』 和田 茂樹 (編集)
岩波文庫
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漱石の12通目。
子規のきびしい句評?に苦言を呈しつつも、試験などの勉強にはちゃんと目を通しなさいよ、と親切なアドバイスをする漱石。
最後に記された〈 もの草次郎どの 〉という宛名で、
ふたりの親しいいい関係が想像できて、楽しい気持ちになりました。
(音読した人:めいさん)
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『芭蕉七部集』 中村俊定 校注
岩波文庫
『猿蓑』
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〈 君が代や筑摩祭も鍋一つ 越人 〉
筑摩祭というのは、それまでに付き合った男の数だけ鍋をかぶって参加する、という奇妙なお祭り。
土鍋だろうし、どんなふうにしてたのか。大概一個しか被れないのでは?などいろいろ想像しました。
祭神からすると、たくさん被ってる女の方がよいのだろうか?越人という人の雰囲気も知りたくなりました。
(音読した人:山崎)