2024_0120_本読み
<1010字>
冒頭の写真:
金柑の木の木肌が絵に描いた波や島のようでした。
じっと見ていると鯨や鮫みたいなものも見えてきます。
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1月20日(土)は以下を読みました。
『巨匠とマルガリータ』
ブルガーコフ 著
集英社 世界の文学15 ロシア Ⅲ
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アザゼッロの言いくるめに従わざるを得なくなる、マルガリータですが、それでいて、純金(?)の小箱をせしめました。これも魔術でできたもの?と思いますが、そうでもないのでしょうか?
クリームを全身に塗って、待っていろ、という指示は『注文の多い料理店』を思い出させました。
(音読した人:山崎)
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『犬が星見た』 武田百合子 著
岩波文庫
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6月25日、レニングラード、続く。
エルミタージュ美術館を訪問。
〈 ゆっくり見ていたら一週間はかかります。ゆっくり見ない。立ち止まって見ない。皆一緒になって迷わず歩き続けて下さい。 〉
という注意を受けるのが笑ってしまった。
(音読した人:きよもとさん)
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『るすばんかいぎ』 浜田桂子 作
理論社
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「ゆうきくん」が外出してる時に、家電と家具たちが、集まって、いろいろしゃべっている。登場する冷蔵庫や机や椅子たちが、付喪神を思わせて、なんかすごく日本的と思ってしまいました。
現代の昼間の百鬼夜行、かわいらしい絵本でした。
(音読した人:きよもとさん)
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『漱石・子規往復書簡集』 和田 茂樹 (編集)
岩波文庫
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漱石の28通目。
漱石先生が学生からの悪評で学校(早稲田大学の前身)を辞職するくだり。
詠んだ句が
〈 病む人の巨燵離れて雪見かな 〉
漱石の晩年の学習院大学での講演録を読んだことがあって、人を飽きさせない話しぶりでした。講演がとても上手で面白かったという評判も読みました。
この若い時代は、まだまだそうではなかったのだろうか。
(音読した人:めいさん)
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『芭蕉七部集』 中村俊定 校注
岩波文庫
『猿蓑』
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〈 笑にも泣にもにざる木槿かな 嵐蘭 〉
〈 手を懸ておらで過行木槿哉 杉風 〉
江戸っていう異文化世界を旅してる気分。
どうという感情もおこさない、とか、手折る必要もないか、とか、
木槿の扱いの低さがとても興味深いです。
虫ケラといったときの「ケラ」とか、むく犬の「むく」などを、音から連想しました。
(音読した人:山崎)