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2022_0618_本読み

<1720字>

冒頭の写真:
エノキの樹皮に、かなりおおぶりな毛虫がたたずんでいました。

大きいのでなんとなくクスサンあたりなのかな、と思い、検索すると
マイマイガらしいです。

あの飛び方を知ってるので、舞舞と名付けるセンスには詩を感じます。

が、成虫の外観はとても地味の中の地味。

あの親の子供時代は、こうか、と思って
写真をじっくり見ると、やはりとても美しいです。

特に、四対の青星と六対の赤星の色分けを見つけて驚きました。

どうして信号みたいになるの?!

自然の奥深さと、数の不思議を感じてしまいました。



6月18日(土)は以下を読みました。

『みえるとかみえないとか』 ヨシタケシンスケ 作 
伊藤亜紗 相談


アリス館

先日まで読んでいただいていた『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(伊藤亜紗 著、光文社)。
その本をきっかけに生まれたのがこの絵本なんだそうです。
(とてもよく表現されてる、っていう、きよもとさんの言に従って、早速図書館で借りてみたというわけです。)

あの本の表紙に居た三つ目の人は、
ああ、そういう人たちだったのね、なるほど、

この本で非常に納得。

ヨシタケさんの技というのか芸というのか、
唸らされました。さすがです。

(音読した人:山崎)







『早春』 藤沢周平 著

文藝春秋

読み手のこいでさんの言では「小津安二郎調」とのことで、
藤沢周平だから時代劇かと思いきや、
場面は現代のちいさなスナックで、
ママと二人の客のやりとりのシーンでした。

抽象的な科学の話や、連句など
ああでもないこうでもないと悩みながら読むものが多かったので、
シーンがはっきりしていて、
セリフで劇が進行していくのはとても新鮮で、楽しかったです。

(音読した人:こいでさん)







『どうぶつたちはしっている』
マーガレット・ワイズ・ブラウン 著、イーラ  写真

寺村摩耶子 訳
文遊社

あとがきの「イーラの世界」の続きが続きます。

クローズアップされた顔など〈部分へのまなざし〉が、
動物全体を写すよりもはるかに、本質というのか心を動かすものをとらえている、という解説でした。

イーラは後にアフリカで野生の動物も撮ったのですが、動物園のようには被写体に寄れないので、全体が写っているものになりました。
それは、現在みんなが見慣れている動物の写真であり、それだけに初期のものの衝撃力が際立つ、という感じです。

(音読した人:はやしさん)





平和願いしHAIKU 黛さん企画、世界から詠み人
中日新聞、2022年5月29日記事



俳人の黛まどかさんの企画で、日本語ではない俳句を募集し、和訳を添える、というもの。

ブルガリアの方の英語の俳句や、フランスの方のフランス語の俳句

俳句という形式が、非常な訴求力を持っているというのが面白いと思います。
絶対味わえないはずのものを、何か違う形にしてでも味わいたい、
というやりくちが大変に興味深いです。

(音読した人:めいさん)





『連句  :  理解・鑑賞・実作』  五十嵐讓介 著

おうふう
第三章 

4句目以降は、最後の挙句あげくを除き、平句ひらくと呼ばれます。

「四句目ぶり」ということばがあるんですね。
それぞれの位置にそれぞれのしっかりした意味付けがなされていて、
いいですね。

月の定座じょうざなどについても詳しく触れていました。

(音読した人:きよもとさん)






『「これからの世界」を生きる君に伝えたいこと』 
ウスビ・サコ 著



「今、自分は本当に自由なのか?」という章題のところでした。
現在著者が教えている「自由論」についてです。

1950年代以降、脱植民地の運動や公民権運動など、社会的な自由を求める動きが起きたが、ここでは意外にも個人の自由についての言及はなかった。

というようなところから始まって、教えている学生たちの現状を書いてました。

「ひま」っていうか何やっててもいい余白の時間が無い、と。

外からの要求になんとか応えようというのが癖になっています。
いかにして自分の市場価値を作るか、が至上命令になっています。

自分がほんとはどうしたいのかを感じる「自由」が無い自縄自縛な状態なのです。

(音読した人:かみとまいさん)

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