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四月は色と恋に落ちる

「クローゼットの中が同じような色ばかり」という悩みをよく耳にする。

私はこの色しか着ないわ、という確固たるポリシーがある場合は別として、ついつい代わり映えの無い色ばかりを買ってしまうのが悩みの人にとって、四月は自分にとって新鮮な色を取り入れる絶好の好機だと、私は思う。

街を見渡せば、桜をはじめとした花々が咲き誇り、緑が青々と美しく、煌めく光が眼前に広がる。何か素敵なことが起こりそうな予感に胸踊る今こそ、普段あまり手を伸ばそうと思わないような色もぐっと身近に感じられるだろう。

春のフィルターを通せばペールトーンやヴィヴィッドカラーが益々魅力的に映るからこそ、インスピレーションの赴くまま心ときめく色を購入するのも良い。だけど、家に帰って鏡の前で着てみたらどうもピンと来なくて、結局活躍の場が無いという失敗は出来るだけ避けたいもの。

それを防ぐべく、新しい色に挑戦する時にしたいことは二つ。

まずは、自分のワードローブの定番色との相性を想像してみること。例えば黒には水色。爽やかでありながらクラシックな雰囲気もあり、私が一等好きな組み合わせの一つ。勿論水色は紺やグレイにも良く合う。

紺と黄色、グレイとピンク、カーキと若草色、、子供の頃、色鉛筆を並べて自分の好きなペアを探し出した時のように、自分好みの配色をとことん思い描いてみること。

候補となる色が概ね決まったら、臆することなく手にとって着てみる。いつも着慣れている色とは勝手が違うからこそ、いざ着てみると思ったより顔映りが優れなかったり、魔法のように顔色を明るく見せてくれたりと、色には大抵発見や驚きが、潜んでいるから。

そうして色々着てみるうちに、自分に合う彩度や明度がおおよそ掴めてくるはずで、そこまで辿りつけば、もうこちらのもの。自分自身や自分のワードローブと相性の良い色が手に取るように分かるようになり、攻略法を見出したゲームよろしくトントン拍子に自分にとっての定番色が増えていくこともあるでしょう。

始まりの季節。自分にとって新鮮な色と恋に落ちてみるのも、きっと春の愉しみの一つ。

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