マガジンのカバー画像

婦人的客旅手引

7
乙女視点のトラベルガイド
運営しているクリエイター

2016年1月の記事一覧

運を開きに香港へ

今までに何度か聞いたことがあった。香港には作るだけで運気が上がる印鑑屋さんがある、と。 実際に何人かの友人に「ペニンシュラに判子を作りに行かない?」と誘われたことがあったし、気が乗らないでも無かった。それでもなぜか実現するには至らなかったのだ。ペニンシュラの判子、というキーワードだけを薄っすら記憶に残したまま。 今回の香港への旅は突然だった。そして何処へ行くも、何をするも決まっていないまま(大好きな蓮香楼にだけは何としてでも時間を作って行きたいと思ってはいたけれど)香港へ

ダウンタウンガールみたいに

女の子に「海外に行くなら何処がいい?」と聞くと、大抵答えは決まっている。ハワイ。まるで幼い子供が甘いお菓子を思い浮かべる時のように、彼女たちはうっとりしながら、その三文字を口にする。 居心地の良いビーチやプールでの日光浴。美味しいと話題のお店のエッグベネディクトやパンケーキ、ハンバーガーショップを計画的に巡っては写真におさめる。それからカラカウアアベニューでお目当てのバッグやお財布をチェックして、在庫を比べるためにもアラモアナへも行かなくちゃいけない。パワースポットにも行き

深夜0時半、ドバイ行き

「ドバイへ行きませんか?」 その誘いはある日突然やって来た。そしてそれから1ヶ月も経たない12月のある日、私は羽田発0時半のエミレーツ便に乗り込んでいた。 日本の書店ではドバイの観光本が簡単に手に入らない。大きな本屋さんへ行ってようやく1冊か2冊売っているかいないか、というところだろう。そんなこともあって、私はドバイに関する予備知識が殆ど無い状態のまま、天井がまるで星空のようにきらきらと瞬く機内をぼんやり見上げながら眠りに落ちた。 機内で11時間と少し。飛行中十分に睡眠