RPGツクールでwebオンリー会場を作った話

今までwebオンリーといえばpictSQUAREさんでお世話になっておりました。しかし昨今の問題によりピクスク使うのがちょっと不安…けどwebオンリーはやりたい…という願いを叶える為に私はひらめいた。

RPGツクールでwebオンリー作れるんじゃね?

のちに、この考えが大きく私を苦しめる結果となる…
が、webオンリー会場は作れました。ほんまに出来ると思ってなかった。本気ではあったけど。

という訳で、もし今後、ツクールでwebオンリー会場を作りたい!という人の為に(おるんか…?)、手順と併せて備忘録としてここに記しておきます。


①ツクールMVを購入する(難易度:★★★)

 もうここで詰む人がいるんじゃないか?と思うくらいに導入難易度が高いと思われます。金銭的な意味で。もともとツクールシリーズが好きで買う人であれば、好きなゲームソフトを買う感覚でポチっとしちゃうんですが……

 正直、私もツクールMVがセールで85%offになってなかったら買ってなかったと思います。ツクールが85%offになるってほとんど聞かない話なので、私も目を疑いました。ツクールくん正気か…?しかし、ツクールMVは2015年発売、ともう8年も経っていることと、後続にツクールMZが発売されているのでまあ値下げもするか…。ちなみに後日90%offになっているのも見かけました。正気か。

 ちなみに、なぜ最新のMZが発売されているのにMVを買ったかというと、オンライン通信で他のプレイヤーを表示するプラグインがMV対応だったためです。MZに同じようなプラグインが存在するかは確認していません(多分ないのでは…?)
 複雑なMMORPGを作る訳ではないので別に問題ないかなと思います。

②ツクールで会場を作る(難易度:★★)

 正直、これはツクールシリーズに慣れている方ならパパッとマップは作れると思います。実際マップで苦労しなかったし。
 ただし、ピクスクさんと同じようなwebオンリーとして機能させるためには、「既定のブラウザ」で指定したURLのウェブサイトを開くスクリプトを導入するなど、ひと手間必要になってきます。
 そのほかにも、会場を作る為には色々やらなければいけないことがあります。

2-1 必要な素材を集める(難易度:★)

 ハロウィンがテーマなので、KRハロウィンパーティータイルセットを購入。マップ用の素材は公式で買えたり、有志の方が素材として配布してくださったりしているので助かります。BOOTHでも販売してる方がいるので、欲しい素材があればDL!マップは全てデフォルト素材+DL素材でできています。

会場MAP(24sp)の一部です。ピクスクになるべく近付けています。

2-2 顔グラフィック・歩行グラフィックを作る(難易度:★★)

 正直これは共同主催のラブフォロワー絵師さんにお願いしたので私一人の力ではないのですが、せっかくのカップリングオンリー、やはりアバターや顔グラフィックは欲しい!というよりこれがないと何のイベントやねん!てなる!デフォ素材を使ってカプオンリーと言えるでしょうか。否!
 ハロウィンがテーマとだけあって、お化けや吸血鬼のコスプレなど、たくさんパターンも作ってくださいました。LOVE。

顔グラフィックはやはりあった方が良い!

2-3 イベントを組む(難易度:★~★★)

 ツクール慣れしている人にはお茶の子さいさいな作業です。会話?移動?お手の物!
 しかし、導入するスクリプトと組み合わせる等、ちょっと技術が求められることもあるやもしれません。事実、「画像を表示→消す」というイベントを組むとき、PC操作のみの話であれば「ピクチャの表示→ピクチャの消去」を組んで終わりですが、ピクスクのような会場作りを目指している身としては、スマホ操作も念頭に入れないといけないので、トリガー拡張プラグインなどを用いてタッチに反応させなくてはいけません。あわせて、上記のプラグインではなく、簡単な反応だけでええんや、という時に右or左クリックでの条件分岐も。
 これで、「サークルカットを調べる→画像を大きく表示→画像を消す(これら全てタッチに反応)」というイベントが組めました。

正直、この答えに辿り着くまで紆余曲折あった。

 サークルカットを表示させる以外にも、チュートリアルを表示させたり、クエストを作ったり、お化け屋敷を作ったり……。ピクスクではできない、遊び要素をどんどん入れられるのがツクールのいい所だなと思います。

こういう補助アイテムも必要かなって思いました

 ただ、やりたいことによっては難易度が爆上がりするので、本当に悲鳴を上げながら作るハメにもなることがあります……。

お化け屋敷の中にある鏡。プレイヤーが近づくと姿を映す。

 この「鏡にプレイヤーを映す」っていうイベントが二番目に大変でした。これは慣れてないとわからんよ……。

わかる人向けの解説
①プレイヤーの位置情報取得をし、X座標、Y座標それぞれを変数に代入
②その位置情報Y+1の位置(鏡の位置)に「移動ルート:画像の変更」でプレイヤーの画像へ
③ゲーム開始時に選んだアバターによって画像を変更させる処理をするため、「変数:アバター」を作り、「アバター=1」の場合はこの画像、「=2」の場合は…とアバターの数だけ繰り返す
④それぞれ「上を向いている場合」「右」「左」「下」を設定

 正直、普通のwebオンリーには鏡置こうと思う人いないと思うのでこの辺は蛇足にはなりますが、でもツクールの可能性は無限大なのでやりたい人がいるかもしれないですもんね!

2-4 プラグインを導入する(難易度:★★~★★★)

 これは知識と経験によって差が出る所かもしれません。「そもそもプラグインの導入ってどうすればいいの?」な人や「プラグインの説明を読んでもよくわかんない」な人には難しいかも…。プラグインはjavascriptが使われているので、プログラミングに縁がないとサッパリだよね…。
 プラグインを導入すれば、デフォルトのツクールの機能以上のことができます。最初に紹介した、オンライン通信で他のプレイヤーを表示するプラグインがそれです。しかし、このプラグインが最も鬼門であり、難易度が高い部分ではないでしょうか。

1.本プラグインをダウンロードして自分のゲームに配置
2.Firebaseの公式サイトで、Googleアカウントを(持って無ければ)取得し、「新規プロジェクトを作成」する
3.「ウェブアプリにFirebaseを追加」ボタンを押してプラグインパラメータにappID、authDomain、databaseURLをコピペ
4.左メニューから「Auth」→上部から「ログイン方法」→「匿名」を有効にする
5.ゲームをプレイすると同時にプレイしているすべてのアバターが表示されます

RPGツクールMVでオンラインゲームを作ろう!」くらむぼん様

????????

 ここで心が折れかけましたが、一応言われた通りの手順を踏んだらなんとか同時に接続中の他の方のアバターが表示ができるようになりました。正直これができればほぼピクスクと言っても過言ではありません(過言)。

 あとは、やりたい事にあわせて好きなプラグインを導入するだけ!

マップ灯りを導入した迷路マップ
実績プラグインでトロフィーを獲得!こんなん楽しいに決まっとる


③webにアップロード(難易度:★★★)

 自分で個人ホームページ作った経験がある方なら難易度はもう少し下がるかも。
 ツクールは、ゲームが完成したらwebブラウザ上で遊べるようにデプロイメントをするのですが、出来上がったゲームデータファイルをwebサーバー上へアップロードが必要になります。
 
1.サーバーを借りる
2.FFFTPを利用してアップロード

という手順が必要になります。……古の腐女子ならわかるはず。やったことあるでしょ…?index.htmlをアップロードする作業を…。

④テストプレイ、修正(難易度:★~★★★)

 テストプレイの項目を四番目に持ってきてしまいましたが、そもそも本格的に会場を組む前に最大の鬼門である2-4のオンライン通信で他のプレイヤーを表示するプラグインが動くかどうかにかかってます。このプラグインのテストプレイを早い段階でやっておくべきです。これさえクリアすれば、あとは細かいバグ修正のみで済むでしょう。
 しかし、ローカル環境と違って、web上では予期せぬ動作をすることが多い!BGMや画像が読み込めずエラーになったりする!

 上記プラグインで会場に負荷がかかりやすくなるため、会場は広すぎず、軽く作るのがいいと学びました。今回は24sp規模で作りましたが、多分これ以上1マップを広くすると厳しいのでは……。16sp×2部屋にする、など、小分けにマップを分ければ負荷は分散できるのかなーと思います。多分大規模イベントは私のやり方では難しいのでは…。

 あとは、どうにかそれぞれの素材を軽くしたり(BGM等)、設置イベントを減らすなりして軽量化させます。
 今回の私の場合は、実績システムの為に変数を使って並列処理をいくつか行っているので、かなり負荷がかかってると思いますが……。どうにかできる時間と知識がなかったんだよね……。1マップにイベントを300以上置いたの初めてかもしれん。

⑤公開!!

 おめでとうございます!ここまでの試練を乗り越えてやっとwebオンリー会場をお披露目できます!!


 いかがでしたでしょうか。「ツクールでwebオンリー会場を作るの楽しそう!」てなりましたか?私はなるとは到底思ってません

 でも、ツクールを使ったことで、フォロワーさんが、「推しカプのゲーム作ってみたい!」という気分になったみたいなので、私としては成功とします。推しカプのゲームお待ちしてます!!

 正直、オンライン通信で他のプレイヤーを表示するプラグインがなければ、普通にゲーム作って普通に公開するくらいならここまで苦労はしないと思います。ピクスクみたいにしたい!と思うならそれなりに頑張らないと作れないぜ!というお話でした。

 あと、今度は普通にRPGを作らせて欲しい。ツクールを久々に触って個人的には滅茶苦茶たのしかったです!

 ちなみに私のツクール歴ですが、

小6 RPGツクール2000体験版に触れる
中1 RPGツクール4(PS)に触れるも訳わからず
中2 RPGツクール5(PS2)でちょっとだけイベント組めるように
高校  ツクール2003かXPかの体験版を遊び倒す
専門  ツクールVXを購入、二次創作RPGに手を出すも完成せず
社会人  ツクールVX Aceを購入、この頃フリーホラゲが流行っており、自作ホラゲを作ろうとするも完成せず

 完成したことなかった(笑)

 けれども、マップを組んだり基本的なイベントを組んだり、ということはできるので、それだけの知識があればあとはやる気と根性でなんとかなるんじゃないでしょうか。知らんけど。

 という訳で、これからの皆さまの同人活動・ツクールライフが良きものになりますように!

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