『死亡診断書』の『死亡原因』
葬儀が終わっても、やる事は山ほどあった。
まずは年金事務所(これは真っ先にした方が良いと周りに言われた)
主人の年金を停止し、次に私が遺族年金を受け取れるように手続きした。
主人は自分では支払うばかりで受け取った年金は殆ど無い。
けれど『遺族年金』という形で残してくれた。
ありがたく受け取らせてもらう。ささやかだけど、あると無いじゃ全然違う。
家の近くの行政サービスで、主人の保険証を返却し、世帯主の変更届を出した。
本籍地が主人の実家で、同じ市内だったので戸籍謄本を取るのにも不便はなくて、役所の用事は行政サービスで全て終わらせる事が出来た。
公共料金の引き落とし口座や名義の変更等などは、一部ネットで出来るものもあったりして、思ったよりはスムーズに終わった。
なんせ、忌引き休みが明けないうちに、平日昼間でなければ出来ない事はなるべく終わらせたかった。
手続きには度々『死亡診断書』が必要になる。
生命保険の請求などもそう。
主人が亡くなったのは真夜中だったので、その時には『死亡診断書』は貰えてなくて、次の日の病院の事務室が開いた時間に息子が取りに行ってくれた。
その『死亡診断書』の『死亡原因』の欄に、“老衰”と書かれてあった。
老衰?64歳で?
クロイツフェルト・ヤコブ病というのが、『死亡原因』としてふさわしいのかどうかは分からない。
病名を書かないのが配慮だったのか、ボケだったのかも分からない。
「何か違うよなぁ」と思いながら、結局何も言わず今に至る。