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ドラゴンボール データカードダス ロケテ

俺は、病気や障害まみれだから、真面目に働いてもたいして稼げないと思う。
けれど、それは雇われたらの話し。
だから、自分で起業するしかないべ。

2004年9月。お~れは起業家タカシだよ~。
この勢いなら起業は確実だべ。
数年後、テレビでホリエモンVSフクヤマンの対決が見られそう。
ということで、ホリエモンの真似をして黒いTシャツを着て市場調査だ。

まずはイオン津田沼。
2階から入店してエスカレーターを昇る。
3階のモーリーファンタジーに着きムシキングをチェック。
幼児が数人並んでいる。
人気あるな~。

その後本屋で立ち読みをする為に本屋方向に歩く。
すると、文具売り場の近くのエスカレーター付近に奇妙な機械を発見。

「データカードダス ドラゴンボール ロケテスト」

何じゃこりゃ~。

ムシキングのドラゴンボール版かよ。
こんなんヒットするんかい。
まあ、とりあえずポケットに入っている100円玉を入れてやってみよう。

「チャリーン」

おっ、カードだけ買うモードがある。
こんなん恥ずかしくてプレイできないから助かった。
それで出てきたカードは…。

「孫悟飯 青年期 激レア」

おっ、キラキラしたカードが出てきたぞ。
これは価値のあるものなのか?

帰宅後、早速先ほどのカードをヤフオクに出品。
1500円即決でどうだ。
するとその日のうちに落札。

マジで笑いが止まんねーよ。やっぱ商売なんてチョロイ。
100円が1500円だぜ。

翌日、2匹目のドジョウを狙ってイオン津田沼へ。
すると中学生くらいの年齢のガキんちょが3人で筐体を囲んでいる。
何だよ~。ガキんちょは家でママのおっ○いでも吸っていろよ。

仕方がないのでイトーヨーカ堂津田沼店へ。
もしかしたらこっちでもやっているかなと思って…。
エスカレーターを昇ってゲームコーナーへ。そしたらあったぜ。ウッヒョー。最高。現金排出機だ!

100円玉を50枚用意して連コ開始!

「いや~ね~」

「何か書いとけばいいのに」

んっ…何だと思い、声のする方向をチラッと見た。
すると、子連れの主婦の2人組が俺を批判していた。

(当時、子供向けカードゲームをプレイする大人はヤバい奴だと見られていた)

主婦の視線に耐えながら、激レアが出るまで我慢。
そして30枚目で「激レア 引き出される力」ゲット。

そして、恥ずかしいので逃げるように帰宅。
それでこのカードは、製品版が出るまで寝かしておくことにした。
さて、お宝化するかな?

2005年3月。待ち望んでいた日が来た。
「ドラゴンボール データカードダス」稼働。
朝10時。俺は、ピア津田沼店の外に設置された筐体の前の椅子に座っていた。
ふと周りを見渡すと、行き交う人がチラチラと自分を見ている。
それもそのはず、目立つ要素が沢山あるんだから。

縮毛矯正をかけているからロン毛+サングラス+黒い上着+子供向けのゲームの前に座っている。

けれど、恥ずかしいなんて言ってられない。
この「データカードダス」は、自分と一緒に成長して輝いていくんだ。

100円玉を100枚用意して連コが始まった。
ノーマル、ノーマル、ノーマル、金レア、ノーマル、ノーマル、金レア…。
キラキラしたカードが出ない。
これはもしかして製品版では滅多にキラが出ないのか?
そう思った俺は、70回で打ち止めた。

そして、イトーヨーカ堂津田沼の最上階に移動して、レストランの外に設置されたテーブル付きの椅子に腰掛け、先ほどのカードを広げた。

カード1枚1枚をスリーブに入れていく。
近くにいた女子高生の集団が、驚愕の表情で俺を見ていた。
けれど、そんなことはお構いなしに作業に集中した。

その後、携帯電話のカメラで「金レア 孫悟空」「金レア 孫悟天」「金レア 怒り」の3枚を撮影した。
そして、その3枚を携帯電話からヤフーオークションに出品した。
他に製品版を出品している人がいないので、相場が分からなかった。
だから、とりあえず3枚とも800円スタートにした。

しばらくしてヤフオクの管理画面を見た。すると、アクセスやウォッチリストが凄い数になっていた。
自分は日本中から注目されていると感じた。
しかし、結局3枚とも落札されることはなかった。

その後、「データカードダス ドラゴンボール」は爆発的なヒットを記録した。
そして俺が持っているロケテカードはお宝化した。
もっとやっておけばよかった…。
ああ、過去に戻りたい。
どらえも~ん。

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