タカシクエスト 第6章
光の教団って知っているか?
なんでもやつらは駅前で信○を集めているらしい。
そして、その信○を軍隊アリみたいにして働かせているらしい。
なんだかわかんねーけど、とにかくヤベー集団みたいだ。
でも、勇者のタカシって言う奴がそいつらを懲らしめに行くらしいぜ。
速報速報。パイ先から電話が入って衝撃ニュース。
光の教団の教祖が、いっちまったってよ。なんでも、コーラと醤油を間違えて飲んだそうだ。
笑っちゃうよな。
信○から絶大な支持をされた教祖がこんな最後を迎えるなんて。
確か教祖って恐竜とタヌキのハーフだったよな。
何かこの世界じゃ恐竜の血が入っていると忖度される傾向にあるんだよな。
恐竜は、人間よりも偉いからな。
そんで、光の教団はもう終わりだろうな。
でも、綺羅カーン軍団とレッドリボン軍が勢力を伸ばしそうだな。
まるで戦国時代みたいだな。
面白れー。
そんで、光の教団の教祖の葬儀に勇者タカシが参列したみたいだぜ。
暴走族グループの船橋スペクターが、盗んだバイクでピザを届けに来た。
ここは光の教団の教祖の葬儀会場。
そこへ勇者タカシが足を踏み入れた。
僕は、この教団の教祖を懲らしめる為に活動していたが、教祖が勝手に自滅してくれた。
悪人とはいえ、亡くなったことには多少残念な気持ちがある。
なので、線香の一本でも立ててやろうとこうしてやってきたわけだ。
葬儀会場に入ると衝撃を受けた。皆、喪服ではなくアロハシャツを着て騒いでいた。
それはまるで、葬儀会場と言うよりパーティー会場と表現する方が妥当だった。
大人達は、クラッカーを鳴らして喜びのダンスを踊っている。
そして、子供達は寿司が食えると大喜び。
一方で、船橋スペクターの方々は○○○○を吸いながら喜んでいる。
船橋スペクターの方々いわく、教祖は反社会的なことをしているのに、それを隠して活動しているのが許せなかったみたいだ。
だからこうして葬儀に参列したそうだ。
焼香は、遺影に灰を投げつける信長スタイルで行われた。
参列者1人1人が、独自のフォームで教祖の恐竜面目掛けて灰を投げ付けた。
しかし、船橋スペクターの方々は、遺影に灰を投げつけるだけじゃ我慢が出来ず、遺影に殴る蹴るの暴行を加えた。
すると、メンバーの1人が遺影のガラスで拳を切ってしまった。
血が滴り落ちている。
けれど、その血液が教祖の遺影の顔にかかり、まるで教祖が流血しているみたいだった。
これには、参列者一同爆笑の渦に包まれた。
「キャー」
参列者の女性が突然悲鳴を上げた。
なので、参列者一同は悲鳴の方向に視線を向けた。
すると、衝撃を受けた。
首の長い舞妓さんが、女性の前で微笑んでいる。
ろくろ首だ!
舞妓さんの首は、葬儀会場の外から伸びていた。
なので、参列者一同は、外の様子を見に行った。
すると、そこにはおぞましい光景が広がっていた。
妖怪がわんさかいる。
赤鬼、青鬼、黄鬼、緑鬼、橙鬼、ピンク鬼、金銀パール鬼、餓鬼、牛鬼、酒天童子、阿修羅、夜叉姫、カルラ、風神、雷神、鬼太郎、ボボボーボ・ボーボボ、猫娘、ネズミ男、目玉の親父、一反木綿、ぬりかべ、ジバニャン、にゃんこ先生、ぬらりひょん、雪女、地獄少女。
百鬼夜行だ。
光の教団の教祖は、妖怪まで怒らせたのだ。
そして、その妖怪たちも葬儀に参列したのだが、参列者は一同に妖怪たちに恐怖を感じていた。
けれど、参列者は、妖怪たちと会話をしていくうちに危険では無いことが分かり、次第に仲良くなった。
人間だけでなく妖怪も、じっくり会話をしなければ相手のことなんて分からない。
外見や噂話といった先入観で相手を判断するのは間違っていると今回の件で感じた。
翌日、教祖の○○は恐竜肉として調理され、参列者に振る舞われた。
振る舞われたメニューは、次の二品。
「教祖のキリ○○○鍋」
「教祖の○○の天ぷら」
料理を食べた参列者の反応は以下の通り。
「まいう~」
(582歳・女・雪女)
「口の中が地獄絵図や~」
(347歳・男・雷神)
「キリ○○○鍋最高!」
(17歳・男・船橋スペクター所属・田中黄色)
↑
黄色と書いてピカチュウと読むそうです。
「この○○の天ぷら、外はサクサク中はコリコリじゃねーか」
(68歳・男・路上生活者・木村ヒゲ丸)
なぜ路上生活者の木村さんが参列していたのか謎だが、とにかくみんな喜んでいた。
これには、今ごろ教祖も地獄で喜んでいることだろう。
教祖、生まれ変わったらマトモな人間になれよ。
第7章につづく。