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読書感想『「いい人」の本性』第五章 弱者ポジションのうばい合い(争奪戦)

第五章 弱者ポジションのうばい合い(争奪戦)

この章のはじまりはこうだ。

「同性愛を認めないのは合憲」
2022/6/20、大阪地方裁判所はこのような判決を下した。原告の同性カップル三組は、同性婚を認めない法規定は違憲だとして国に計600万円の賠償を求めていたが、この訴えは棄却された。

判決は「本件規定で生ずる差異は憲法24条1項の秩序に沿ったもので、14条1項の許容範囲を超えていない」としている。
憲法24条1項には「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」とあり、14条1項には「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」とある。

判決の趣旨は要するに、同性婚と異性婚の間に生じるのは「差異」であって「差別」ではない、というものだ。

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3,440字
拝金主義者、中立を装う人、国際テロ事件の首謀者、容疑者は「かわいそうな弱者」、弱者ポジションのうばい合い(争奪戦)……興味ある章タイトルの並ぶ著作を一章ごとに掘り下げた読書感想という名の述懐。

飯山陽氏の『「いい人」の本性』の読書感想を章単位で記述。 著作の内容から想起したわたし自身の体験や思いを書き綴る。まえがきから一章ごとの記…

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