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読書感想『「いい人」の本性』第一章 拝金主義者

第一章 拝金主義者

第一章は「善人であることは難しい。しかし善人のフリをするのはさほど難しくない」という文から始まる。

実感として分かる。わたしが双極性障害Ⅱ型で、それに至るまでに、いじめや毒親と戦ってきたサバイバーだからだ。
双極性障害Ⅱ型は、軽躁状態一割、うつ状態九割。人生の大半がうつ状態であり、寛解はあっても治癒はない精神病だ。昔は躁うつ病と呼ばれていた。

他の精神病でも言えることなのだが、双極性障害は自己客観性が低下する。どんなに身体的、精神的に苦しくても、それを認められず「頑張って」仕事を続けてしまう。わたしは元精神科の看護師だった。専門家でありながら、自分に対する客観性は全く失われる。そういう病だ。

他人は善人のフリはするが本当の意味で助けることはしない。それは親であっても、主治医であってもだ。
精神病は目に見えない。その辛さは当人にしか分からないし、多くの人は想像力を働かせることよりも避けて通る道を選ぶ。

善人は利益を求めない。しかし多くの人は自分に何の利益もないことをしたがらない。だが善人のフリなら出来る。その時の言葉は空虚に耳朶をかすめるだけだ。単なる「自己満足」であり「自己弁護」だと分かるからだ。

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1,470字
拝金主義者、中立を装う人、国際テロ事件の首謀者、容疑者は「かわいそうな弱者」、弱者ポジションのうばい合い(争奪戦)……興味ある章タイトルの並ぶ著作を一章ごとに掘り下げた読書感想という名の述懐。

飯山陽氏の『「いい人」の本性』の読書感想を章単位で記述。 著作の内容から想起したわたし自身の体験や思いを書き綴る。まえがきから一章ごとの記…

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