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印刷トラブルが発生した時の対処法

紀咲です。この度初めてやりました。
そう、同人誌の印刷トラブルです。
たまに様々な理由から発生してしまうトラブル。どうしてこうなってしまった、ということも多々あるでしょう。
当初は「乱丁」と言っていたのですが、意味合いを見た所「違うな…」と感じたので、トラブルとさせていただきました。
とは言えどこと揉めたとかそういうものではないのでご安心ください。
今回はたまに聞く例と、紀咲が起こした例と、対応策についてお話をしたいと思います。

⓪乱丁とは

正確には「落丁」と「乱丁」があり、
書籍などの印刷物で、製本の際にページの順番がばらばらに綴じられてしまうことを「乱丁
一部のページがそっくり抜け落ちてしまうことを「落丁
と言うそうです。
正確な意味合いを知らなかったので勉強になりました。為になる。

①たまに聞く例

では実際の例について。イベント当日に、漫画で「左右が入れ替わっていた」なんて話を聞くので、そういった時は乱丁で正しいのでしょう。落丁は逆にあまり聞かないかも。ページがそっくり抜け落ちるとページ数が合わないからだと思います。
小説だとあまり聞かない気がするんですが何故ですかね。やはりPDFにしていてノンブルが正しくあるからでしょうか。漫画の場合はページ毎作成なのでそこが大変なのかも。漫画作ったことないので不確かですが。
noteで乱丁・落丁発生系の記事があったのでご紹介します。とても大変そうだったので同情してしまいます。

たまに旧ツイッターで聞く話だと
「表紙は自分のなのに中身が他の方の漫画だった」
「ページ抜けがあった」
辺りでしょうか。まさに乱丁・落丁ですね。
イベント会場で青ざめてしまった方々には同情するしかないです。

②今回のトラブルについて

では今回紀咲の身に起こったお話を。
先日のイベントで、アンソロジーを出しました。小説だけのアンソロジーだったため、余白部分に飾り枠を入れていました。
勿論参加者にはその旨伝えていて、原稿は作品の文章をいただいていたので調整したのは全て主催である紀咲でした。
何度か利用していて、飾り枠ありの原稿も綺麗に印刷してくれた印刷所様に依頼しました。良い子なので早割入稿です。装丁も使いたかったものにしたので、ウキウキワクワクしながらイベント当日を迎えました。
会場で設営して、さてアンソロジーを並べようと箱から出し、綺麗な装丁にニコニコしながら、会場分に持って来た分で難ありはあるかとチェックを始めました。
背幅部分にちょっとしたトナー剥げなどが発生するので、それを余部などで対応するか自分の分として扱うか考えていた所、明らかに断裁でミスをしているのか小口部分が黒くなっているものを発見しました。
飾り枠で変な断裁があったのかと思って中身を見てみた所…想像もしていない印刷ミスがありました。
飾り枠が綺麗に印刷されていないのです。


こんな感じの飾り枠を使った所…(例です)


こんなことに…(自分の原稿箇所です)

いやもうこれにはびっくり。文字は綺麗に印刷されているのに、飾り枠だけががびがびになってしまったのです。
これを見た瞬間「どうしよう…」となり、お隣がアンソロにも参加してくれた友人だったため見てもらい、これは乱丁だあ…という結論になりました。
今思うと印刷ミスとかの方が正しいですね。全てのトラブルを乱丁で片付けていました。反省。

③今回の対応例

上記の対応例についてお話します。
友人にも見せて、まず「これは頒布できない」と判断しました。どのページも全く同じではないですが印刷ミスがあり、個体差はあれど会場分で頒布できる冊子は存在しませんでした。
すぐに印刷所に連絡しましたが、イベント当日は日曜日かつ早朝だったため誰も出ず。
ただ幸いにも、依頼した印刷所が会場でサンプルなど配布されていたため、そこにならスタッフの方が必ずいるだろうと、冊子を抱えて印刷所コーナーへ。印刷所の方に声を掛け、冊子を見せてご相談。
先方もすぐ印刷ミスと判断されて、確認するとのことでスペースナンバーを伝えて待ちました。
その後印刷所の方が来て、結果は「当日の対応は難しい」というものでした。ただこれには納得で、開場までの一時間弱で何とかなるものではないとこちらも覚悟していました。
これ以上の対応ができるはずもなく、小説部分が読めるとは言え完品でないものを頒布したくなく、頒布中止に。
せっかくお誕生日席をいただいてましたが、個人誌の既刊だけの頒布になりました。
またアンソロを目当てに来てくれた方々には事情説明して謝罪して…と一日悲しい気持ちで過ごしました。
印刷ミスの本は、一冊だけサンプルとしていただき、残りは印刷所様へ持って帰っていただきました。

そして問題は「どうして今回の印刷ミスが起こってしまったか」ですね。
自他責どちらだとしても、次回起こさないようにするのは必須。自責も覚悟の上でした。
印刷所様からは翌日以降にご連絡をいただくことになっていたので、連絡を待ちました。
連絡は二度いただき、一度目ので大体の原因が判明しました。
実は入稿後に「PDFデータがRGBになっている」と言われていました。そのためこちらで何とか調整して再入稿しましたが、それでも直らず。そのためデータの変換は印刷所様の提案もあったためお願いしていました。
どうやらそのデータ変換時に不具合を起こしてしまったらしいです。

①紀咲が入稿したPDFが古いバージョン(仮にver3とします)だった
②そのため印刷所で最新のバージョンに変換(仮にver6とします)
③しかし、入稿したPDFのデータのバージョン表記はver3だったものの実際のデータはver6だったため、最新バージョンへの変換時に不具合が起きてしまった
④そのため印刷トラブルが発生した(と考えられる)

とのことでした。(上記は簡単ざっくり説明です)
とは言え、何故文字は問題なく飾り枠部分だけがトラブル発生してしまったのか。ここが問題なのですが、こちらは私が画像を別途用意して配置して…としていたため、PDFデータがRBGだったのも画像が原因ではないかと思っています。とは言え確認したところ、グレスケデータのものを使っていたためRGBにならないと思うんですが…これ以上は謎でした。
印刷所が本文データの混在NGだったため、こちらでPSDからPDFにしたデータもありましたが、そのデータは問題なかったので更に不思議です。

更に言えることとしては、長らく一太郎を使用しているのですが古いバージョンを使い続けてて…ここのアップデートがなかったが故の不具合の可能性もあり…ただ、五月に飾り枠あり本を問題なく出せているので、余計に分からず終い。
ただ印刷所様もすぐに対応してくださり、通販分で既に発送手配しているものの交換対応もしてくださるとのことだったので、とても大きな被害は出ませんでした。とは言えアンソロジーの主催としては反省点ばかりです。

④対応策

起きたものは仕方ない。今回は大きな問題にもならなかったため早期解決に至りました。次は、同じ事を繰り返さないための対応策の検討です。

・当日必ず検品をする

多分どなたもやっていることだとは思うんですが、当日の本の検品は大事だと思います。正直何度も使っている印刷所様で、こちらの誤字脱字もすぐに見つけて連絡をくださるのに、何故今回は気付けなかったのか…と思うこともあります。ただ入稿のタイミングが夏コミ後だったため、繁忙期後…いやまだ続いているかも…な時期だったので、見落としがあったのだと思います。人間だから見落とすことがあっても致し方ないこと。
なので必ず、会場で新刊の段ボールを開いたら検品をしましょう。一冊二冊ではなく、できることなら全てに目を通したいですね。なかなか難しいんですが、これをするだけでトラブルが大きくなりません。

ここで一つ問題なのが、「事前に委託通販先に別送するかどうか」という部分。とらのあな・メロンブックス(フロマージュ)などに委託している場合ですね。
会場から委託通販先に送るとパンクするので、通販で購入してくれた方の手元に届くのが遅くなります。なのでできれば事前に別送しておくのが吉。けれどこういうことがあると不安になりますよね。
個人的に、個人誌は別送しておいても良いかなと思いますが、アンソロジーだったり再録本のような、普段とお値段が異なる場合の時は別送しないで一度検品するのもありだな、と思いました。特に今回みたいなことがあると、次回アンソロジーを企画した時はそうしようと強く思いました。
とは言え別送した方が委託先にも困らないので、その都度検討してみてください。

・使用ソフトを最新版にしておく

唯一、紀咲が「トラブル回避のためにやらないとな…」と痛感したのが最新版にすることです。
今使っている一太郎、周年記念のものを購入したこともあってかなり便利。何をするにも困ったことがないため、じゃあこれで良いかあ!と数年が経ちます。ですが今回、古いバージョンを使い続けているのが原因で不具合が生じたのでは…と考えています。
一太郎もそれなりに高いソフトなので毎年最新版にアップデートするのは難しいですが、やはり数年経つと古いよな…とも思うため、近々最新版にしようかなと検討しています。
来年ぐらいにまた周年版で良いのが出そうなので、それに切り替え…かな。まだ何も情報ないのですが、情報が出たら検討します。
正直一太郎に慣れすぎてWordだったり縦式だったりに切り替えが難しいので、恐らく同人誌を出すなら一太郎の選択肢しかないんですよね。
別の選択肢もあるので検討するべきではあるんですが…困ったことがないのでしばらくは一太郎と肩を抱いて同人活動をしようと思います。

・余裕を持って入稿する

基本的に早割入稿を狙うので、所謂「極道入稿」をしたことがないのですが、やはり焦ると人はミスをするもの。それは我々もですが、印刷所側も同じことです。
働きながら同人誌を出すのは大変なことで、それだけで我々は偉いのですが、お互い最高の一冊を出すためにも余裕を持って作業をしましょうね。
まぁ毎回それができたら良いんですけど…大変ですよね…

と、思い付く限りの対応策を書きましたが、きっとまだまだあると思うので、もしお気付きのものとかあったら是非とも教えてください。

⑤終わりに

今回は自分の身に起こったことを元に記事を書きました。
こんな大きめのトラブルに見舞われることがあるだなんて…の気持ちでいっぱいで、当日大慌てしていたことが後からよく分かる事態に陥ったりしましたが(持ち帰らないといけないのに荷物を次回イベントに搬入したなど)
今回の経験を元に、以降も楽しい同人ライフをしていきたいなと考えています。
皆様も健やかな同人生活をお送りください。

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