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スケートボーディングの人類学 — スケーターは都市の吟遊詩人か?
なぜスケーターは街中へと滑り出していくのか。
そんな疑問をきっかけに、このイベントではスケーターが街中に再発見する”ストリート”という関係の束を、さまざまなイメージとともに読み解いてみたいと思います。例えば、階段が足の不自由な人にとっては”壁”として立ち現れるように、スケーターにとっては滑るための”ストリート”として立ち現れます。
つまり、スケートボーディングについて人類学的に考えることとは、街と人との関係を考えることでもあり、その過程で現代の都市のレギュレーションを問い直し、相対化することも可能となります。
詩がレトリックを駆使して現代社会と空間とを異化するならば、スケートボーディングは公共空間の流用と恣意的誤読によって、既存の構造とシステムを逆説的に可視化し、新たに組み替えているとも捉えられるでしょう。
このように、”ストリート”という空間から、皆さんでスケートボーディングの小さくも強烈な社会批判力の潜在的可能性を考えられれば幸いです。
(鍵谷 開)
日時:2024年12月20日(金)19時半〜21時(開店18時、閉店23時)
会場:気流舎(下北沢)
会費:入場無料、投げ銭制
店番:ハーポ部長
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トーク
鍵谷 開(かぎたに かい))
1997年生まれ。スケーター。広島大学大学院人間社会科学研究科博士課程前期修了。修士(学術)。現在、国立民族学博物館にて国際オンラインジャーナル『TRAJECTORIA』の編集を担当。今月10日まで開催されているみんぱく創設50周年記念特別展「吟遊詩人の世界」では、展示映像の制作に協力。