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博士課程院試合否発表前夜

博士課程を受験しました。結果が芳しくなかった時のことを考えてしまい、結果が分かるまでは受験のことについてほとんど発信をせずに来ました(そんなことを気にしてしまう器の小ささが自分の欠点だとは分かりつつ…)。

ようやく結果が出たので、受験や準備のことを振り返って、まとめつつ発信していくつもりです。

今回の投稿では、合格発表直前にどんな心境であったのかをまとめてみました。入試が終わってから合格発表までの期間というのは、いろいろなことを考えさせられます。そこで考えたこと、頭をよぎったことは、おそらく自分にとってかなり本質的なことなのだと思います。

なお、「合否発表前夜」というタイトルにしていますが(単にカッコいいから)、実際には発表当日の早朝に書いたものです笑


(合否発表当日早朝記)
いよいよ今日、合否が発表される。このタイミングで何を思うかというのは非常に貴重な記録になると思い、書いている。

合否の可能性は、賞味半々だというのが今感じているところ。合格に十分値する準備と実力をつけてきたとは自負しているが、例年と比べて受験者の多さと、英語・小論文のあのギリギリ感(見直しや校正の時間が全く取れなかった)、そして面接の感触(うまく行ったかどうか判断ができないという意味でも)を考えると、基本的には楽観視するタイプの自分でも、さすがに自信を持てずにいる。

受験が近づくまでは、ダメだったら細々と個人で研究を進め、将来的に論文博士でも目指せばいいかと思っていた。出願前はそれこそ、「実力」で受けて、ダメならダメでしょうがない、という気持ちもあった。しかし、今はどうしても通りたい。こう思えるのは、それだけの準備をしてきたということの証だろう。

受験前に「圧倒的な存在として合格しなければ意味がない」と自分に言い聞かせた。合否のボーダーにいると思うから緊張するのであって、そんなギリギリの存在ならば受ける前から不合格とみなしてしまえ。圧倒的な存在であれば、ちょっとやそっとの失敗で落ちるはずもない。そんな風に覚悟をしていた。(その点で言うと、現時点で合格を確信できていない時点で「圧倒的」ではないのだが…。あ、でもこんなに「ギリギリ感」を感じつつの合格なら、逆にそれは「圧倒的」だったという証にもなるか。)

これから自分が成し遂げようとしていることは、まだ誰も手を付けたことのない領域だ。圧倒的な存在として受け入れられなければ、この先もたかが知れている。そう考えると、仮にこれでダメだった場合、再チャレンジする価値があるのだろうか。それとも、そういう「圧倒的存在」に昇りつめる努力を経て再チャレンジすることに価値を見出すべきか。

入試の時点でこれだけ厳しい思いをして、この先本当に続けていけるのだろうか、という思いもよぎった。面接時のように、自分の方向性に興味を持たない人や懐疑的な人、それこそ批判的な人ともこの先対峙していかなければならない。本当にそこに歩みを進める覚悟があるのか。ひょっとして、今回不合格だったら、それは天からのストップサインではないのか。

個人研究としてのらりくらりと進めていくのも悪くない。その道もまた、誰も成し遂げていない道として価値がある。チャレンジするに値するかもしれない。そっちの方がハードモードという側面もある。ハードモードを求めていく性分で言えば、それもありだ。

そんなこんなで、このネガティブ期間でいろいろなことを考えさせられる。この期間がなければ無条件に突っ走ってしまっただろうから、いったん立ち止まって考える時間は貴重であった。

入試後、職場で色々な人に気遣いをいただき、「どうだった?」と話しかけてもらった。あらためて、家族も含めてたくさんの人に支えられて、応援されて、そして迷惑をかけてここまで来たことを感じる。そう考えると「もういいかな」という考えも弱まり、応援してくれた人たちのためにも、ここで歩みを止めてはならないという気持ちになる。

これだけ成否を気にする経験は、これまでの人生であまりなかったのではないか。良くも悪くも、大きな挫折を経験せずにここまで来た節がある。誰かに評価されるということ自体、いつ以来だろう。就職のときは、練習のつもりで臨んだところに採用をもらってしまったから、結果をそこまで気にすることがなかった。振り返れば、大学受験も似たようなものだったかもしれない。入試期には「浪人上等、当たって砕けろ」の気分だったから、ダメだったらどうしよう、みたいな感覚はそんなになかった。

そう考えると、唯一今回に近いのは、高校の部活でのメンバー発表くらいか。自分なりにベストを尽くしきって、「これでダメなら」の覚悟・プレッシャーで臨んだのは、あの時が最後かもしれない。

いずれにせよ、結果が出たらここで書いているようなことは一旦チャラにして、また新たな考えが形成されていくのだろう。まあ、これだけの葛藤を感じている時点で、やり切ったとは言えるのかもしれない。


以上、とりとめのない駄文、自分語りをお読みいただきありがとうございました。

私がそうであったように、合格発表までの期間が不安で、似たような境遇の人の体験記を探しては読み漁っている人の目に留まり、何かしらの支えになれば幸いです。もしもあなたがそのような状況でこれを読んでいるとしたら、私が伝えたいのは以下の3点です。

  • 不安を感じているのは、それだけの準備をしてきた証。

  • 合格発表までの期間は、一旦立ち止まって改めて研究内容や進路について考える良い(最後の?)機会。

  • どちらに転ぶにせよ、挑戦してきたこと、その過程に価値がある。


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