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「え、まって」の身体感

 某国民的アイドルグループが休止を発表しました。応援していたファンの方々はさぞショックだったことでしょう。

 僕はさほど関心を持っていないのですが、知名度の高さから、色々な形で情報が入ってきます。すると非常に面白いことがあって、ファンの人達が「まって(待って)」と言っているんですね。

 今までもなんとなく意識はしていたんですけど、一体なにを待つのかという素朴な疑問が湧いてきます。だれかに急かされているわけでもありません。
 だから、「まって」そのものにはさほど意味はないのではないでしょう。定型句になってきているだけです。
 ただ、なぜ「まって」が出てきたのかに興味があります。言葉はいまの身体のあり方と密接に関わっていると思っているからです。

 僕ならば、信じられないような出来事があると「え、うそでしょ!」と言います。それが「え、まって。うそでしょ!」になっている。

 一拍置くんですね。これは一体どういうことなのでしょう?
 個人的に、現代人は昔よりも情報処理能力が上がっていると思います。情報量が10、20年前よりも圧倒的に多いですから、当たり前です。

 処理速度は速くなっているはずなのに、一拍置くようになっている。とても不思議です。あれこれ考えていたら3つ仮説を思いつきました。

1.どうしようもできない事実への嘆きの一言

 情報量が多く、速くなっています。そして、僕達の触れる情報はほとんどがすぐに流れていってしまうものです。SNSのタイムラインは新情報を次から次へと吐き出し、自分の意志とは無関係に古い情報を奥へ奥へと押し込んでしまいます。
 自分の大事なものが川に流されてしまった時のように、無駄だとわかっても「まって」と言わずにはいられない。そんな状態。

2.大枠を掴むのと、個々を吟味する能力の違い

 大量な情報に触れていると、瞬間的に大枠を掴むことが大事になるので、その力は上がっている。その一方で、1つ1つをきちんと受けとめてから、反応する能力はむしろ衰えているのではないか。
 だから、無視できない情報にぶつかった時に、時間を要するのかもしれません。

3.脳のメモリ不足

 単純に、常になにかを考えていなくちゃいけないから、脳のメモリが一杯一杯で処理できないのです。「まって」の間に、脳の容量を開けて、処理をしている。


 僕が思いついたのはこれくらいですが、ほかにも色々考え方はあると思います。あなたはどう思いますか?

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ほんだ
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