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抹茶碗片手でぐいか春の京
今日は松嶋菜々子さんの絵を描きました。最近はアナザーストーリーで司会をやっていますが、落ち着いた語り口で事実を淡々と伝える姿は彼女にぴったりの感じがします。正直若い頃の彼女は余り好きではありませんでした。大河ドラマの「利家とまつ」でいい味を出してはいましたが、ブームになった「家政婦のミタ」も余り見ていませんでした。
そう言えば今年の大河ドラマ「どうする家康」では家康の母・於大の方を演じています。家康が三河で独立を果たし、桶狭間で織田側について戦った頃、家康はまだ17才、母の於大は15才で家康を生んでいるので当時はまだ32才という若さでした。(ただ家康の父に離縁された後、久松家の後妻に入り、既に3人の男子を生んでいたので当時としてはそれなりのいい歳ではあります。)実際の松嶋菜々子さんは今年50才なのでこの後、本能寺の変のあたりで年相応の於大を演ずることになります。ドラマでは何となく生臭い於大に見えますが、いずれそれなりに落ち着いて来るのかも知れません。
外人が抹茶片手や京の春
北野をどりでは開演前に茶席で待つことが出来ます。舞妓さんがお茶を立てているところを見せながらお菓子と抹茶のサービスですが、何しろ人が多いので飲み方の指導まではありません。しばし舞妓さんの所作を眺めていたジーンズ姿の外人女性がお菓子を口に入れると大きな茶碗を片手で持ち、ぐいっと一気に飲み干して席を立ちました。ちょっとあっけに取られた、そんな景色を詠って見ようと思いました。「外人」と言わずに訪日、青目、金髪、コロナ明けなど色々考えましたが、いいアイデアが思い浮かばずそのまま外人にしました。下五に季語を入れるとあと7文字しかありません。季語を春にしてもぎりぎり10文字です。抹茶と片手は外せないのでこれで6文字、後は1文字か4文字です。
なんてことを考えていたら、そもそも茶道の所作を知らない人にとってはお茶は単に飲むものなので片手で飲もうがぐいっと飲もうがその人の勝手だと気が付きました。別に非難することでもないし、笑いのネタにするのも失礼です。これは文化の違いそのものですね。作法を知らないで行動する人を見て品がない、下品だと、したり顔で言う人を見て形に拘る保守的な人間だと内心馬鹿にしていましたが、私もその一人になっていましたね。優しい日本人は外人がこのような行動をとっても外人だから仕方がないと許す人の方が圧倒的に多いのでしょうね。ただ日本人が同じことをすれば作法を知らないといやな顔をされることは間違いないですね。
抹茶椀片手でぐいか京の春
さて迷った末の「外人」でしたが、結局、外人と言うのを止めました。誰がぐいと飲んだか、どう解釈するかは読み手にお任せします。京には色々な人がやって来ます。
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