石丸伸二 応援 リーダーシップ
石丸市長は自分の出身中学の生徒から使っていないプールがみっともないので解体して欲しいと言われます。石丸市長にとってもきっと色んな思い出のあるプールだったかも知れません。でも彼は生徒に対し厳しい財政状況を真面目に伝えます。解体には2000万円ものお金が必要なので、次にこの土地をどう使うか決まるまではこのままにして置かざるをえないが、何か問題があるかと訪ねます。生徒が枯葉が落ちたりしてみっともないと伝えるとそれは美観の問題なのできちんと対応すると約束します。いつ用務員が復活したのかは知りませんが、今頃は用務員さんが綺麗に掃除をしてくれているものと思います。眼の前にあることに対して今出来ること、出来ないことを明確に伝え、石丸市長が検討すると言ったことはその後しっかりと結論を出して行きます。岸田総理のように何もしない「検討使」とは大違いです。
安芸高田市の歳入は年間200億円規模ですが、市民から徴収する自主財源はその3割程度で残りの金は県や政府からの交付金で賄っています。一方6月に入って小池都知事が発表した低所得者向けに1万円の商品券を配るという露骨な選挙対策の費用総額は220億円を超えるそうです。もちろん人口が大きく違うので単純に比較すること自体余り意味がないのかも知れません。それでも博報堂子会社などへの37億円の支払は都が自分で振り込めば殆どかからない費用です。都民にとって全く無益な都庁プロジェクトマッピングには2年で48億円注ぎ込んだと聞くと、東京都の金銭感覚は一体どうなっているのか、呆れるばかりです。石丸伸二氏が都知事になったらどれだけ無駄な支出を削減してくれるか想像するだけでも楽しくなります。東京都は大手企業の本店が多いこともあり法人所得の地方税や固定資産税が他道府県に比べて圧倒的に多いのは事実です。そもそも仕組み自体不合理な面がありますが、いずれにせよ、そこにあるからと言って無駄なものに使ってしまうなんてことはあってはならず言語同断の話です。
さて今回は石丸伸二氏のリーダーシップについて書いてみたいと思いますが、一見して彼がいわゆるボスタイプでないことは明らかです。リーダーかと言うとそれも少し違う感じがします。私から見るとリーダーと言うとより戦略家のイメージが強いです。ユーチューブの配信で格段に知名度が上がりましたが、これが戦略であることは本人も認めていて名前が売れるなら使えるツールは何でも使うと言っています。結果として田舎町の安芸高田市の名前が売れ、石丸伸二の名が売れ、ふるさと納税額やユーチューブ関連収入も格段に増えました。彼はこの戦略を「政治のエンタメ化」と言っています。勿論、エンタメ化については誤解を招く言葉であることは承知の上で、まずは政治に興味を持ってもらうこと、その為には人の目を惹くことを必要だと言っています。悪名は無名に勝ると割り切り、敢えて日本では嫌われそうな目上に対する態度・言葉も使っているし、日本人が嫌いな理屈っぽい態度いや理屈一本やりで議会対応をしています。その為、有名になるにつれてアンチも増え続けていますが、彼にとってはそれさえも戦略の一部のようです。
彼の4年前の市長選挙の演説を聞くと彼が当時から演説がうまいことがわかります。若いけれど理屈や能書きだけでなく、情に訴えること、人の琴線に触れる言葉を使うことも忘れません。私も彼の動画で心を動かされた一人ですが、実は彼の応援団は決して若い人だけでなく、私のような老人視聴者がとても多いことがユーチューブを見ていればよくわかります。東京でカメラマンをやっていた人が老後、奄美に移住しその生活ぶりを伝えているユーチューバーや宇都宮のカメラさんのオーナー・佐藤勝人さんとか80才は超えていると思われる帽子を被った楽しいユーチューバーなど色んなおじさん達が彼を応援しているのです。佐藤勝人さんは石丸伸二氏の当選は無理だろうと言いながらも、「ひょっとしたら彼は政界の大谷翔平かも知れない。野球界の重鎮さえ「無理だ!無理だ!」と言っていた二刀流を大谷翔平は日本だけでなく、メジャーの世界でも成功させているんだから常人の判断など超えて行くかも知れない」と楽しそうに話していました。石丸伸二氏のユーチューブ戦略は若者だけでなく、多くの人の心に響いたらしく、なんと市長としての最後の記者会見では彼は皆さんの知っている小売業の創業者が後援会長となったこと、出来れば彼に選挙対策本部長をお願いしたいと言うことを匂わせていました。
そして6月15日渋谷で行われた初街宣で、ついに石丸伸二都知事候補の支援体制が全て明らかになりました。後援会長はドトールコーヒーの創業者・鳥羽博道氏、そして選挙対策本部長はTOKYO自民党政経塾の塾長代行で真言宗弘法寺管長の小田全宏氏、事務局長は100回以上の選挙に携わっている選挙プランナーの藤川普之助氏でした。すでにドトールを引退している鳥羽氏が個人的に石丸氏に手紙を出したことから鉄壁な選挙体制の構築が始まったようです。藤川氏は当日1500人以上集まったボランティア説明会で自分が石丸氏を手伝うことになったきっかけは鳥羽氏から直接、石丸氏の都知事選に協力するように言われたことだったと話しています。その後、彼のユーチューブを見たり、石丸氏と話をするうちに石丸氏は本物の政治家だと確信し、彼に協力するようになったそうです。ただ選挙対策本部長については小田全宏氏ご自身が石丸氏のユーチューブを見て彼に興味を抱いていて前々から個人的に会いたいと思っていたそうです。その後、知人経由で石丸氏と面談した際に選挙対策本部長をお願いされ、多忙な身でありながらその熱意に押され依頼を引き受けたそうです。小田氏はとてもユニークな経歴の持ち主です。東大法学部を卒業し松下政経塾の塾生になったところは他の政治家と似ていますが、その後は他の塾生と異なり政治家にはならず松下幸之助の教えを広める「人間教育」に尽力したようです。富士山の世界遺産登録に中曽根元総理と共に尽力しているし、稲盛和夫氏を招いて日本政策フロンティアと言うNPO法人も作っています。ただTOKYO自民党政経塾の塾長代行と言う役職が少し気になります。実は小田氏は深谷隆司元通産大臣の娘さんと結婚しており、深谷氏がTOKYO自民党政経塾の塾長であることからその代行をしているものと想像されます。尚、この政経塾の主宰は裏で小池都知事を応援することを決めた羽生田光一裏金議員(都連会長)であることはなんとも皮肉な巡り合わせですね。
石丸伸二氏のリーダーシップの話ではありましたが、実は彼自身はただただ自分の信じることをやろうと決めただけで俺に付いて来いと言った訳ではありません。ただ、その意思をユーチューブを通じて世に伝えただけですが、それを見た人が彼の人柄に惚れ、彼の主張や政策に賛同し彼を支えようとドンドンドンドンその輪が広がり、とうとうスポンサーだけでなく政治のプロや選挙のプロいや人間学のプロまで巻き込む大きなうねりとなって来ました。この状況は正に毛利元就が残した言葉「百万一心」安芸高田市のキャッチフレーズそのものですね。今日の秋葉原での街宣では昨日の渋谷での街宣と同様に質問形式ではありましたが、内容は昨日と異なり秋葉原に合わせた漫画やサブカルチャーや経済問題にも言及し、聞いている人を飽きさせない見事な演説でした。ユーチューブでもそれなりに人柄や政策が伝わりますが、生の演説ではさらに人々の心に響くものだったに違いありません。ひょっとして本当に都知事になってしまうのではないかと思わせる2日間の街宣でした。明日は都庁で記者会見と言うことなので大手マスコミがどれほど彼についての報道をするのか、今から楽しみでありますが、一方で小池女帝に忖度するだらしない大手マスコミなのでその対応が心配でもあります。
いずれにしても今までのリーダー像とは一味もふた味も違う新たなヒーローが生まれたことは頼もしい限りです。(ちょっと褒めすぎ、いや酔い過ぎでしょうか?)