仏壇を拝みて開けし新酒かな
杉玉は造り酒屋が新酒が出来たことを知らせる為に店の前に飾ったと言うことですが、新酒が出来る2月頃に新しい青々とした杉玉を飾り、夏にはそれが薄緑となり夏酒、秋には枯れた色となって、ひやおろしの季節を表すとありました。あれれ!杉玉は春の季語なのかと思いましたが、どうも季語にはなっていないようです。「新酒」は秋の季語なのに本当の新酒が出回るのは春なのか!「きごさい」によると昔は新米が取れるとすぐに酒を作り始めたので秋の季語になったが、現在は寒仕込みが主流なので実際の新酒は春なのだと分かりました。
しかし寒仕込みは江戸時代からの伝統であり、しかも寒の時期以外の酒作りは禁止されていました。何故ならお米は江戸時代は通貨みたいなものでまず食べる米を優先し、豊作か凶作かで寒に作る酒の量を決めていたからです。なので新米でお酒が作れることを神に感謝し、新酒は秋の季語になったと説明の方が自然な気がします。
仏壇を拝みて開けし新酒かな
仏壇の母に供える走り酒
赤ら顔朝に供えし新酒かな
我が家には仏壇はなかったのですが、母の実家では何でも貰い物は一旦仏壇にお供えしてから飲んだり食べたりしていました。今でも同じことをされている家庭は日本中にたくさんあると思います。さあそろそろ夜の支度と晩酌用に仏前の新酒を取りに行くとあれま!もうない!
中秋や小さきグラスに大吟醸
秋の宵小さきグラスに「十四代」
山形の幻の銘酒「十四代」を初めて飲んだのは4年位前のことです。確か大吟醸「酒未来」だったと思います。「十四代」は高木酒造のまさに十四代目が作った少し甘みのあるとても美味しいお酒でした。ありがたくて小さなグラスで少しずつです。そう言えば母の実家も古くからの家で、母の弟が十四代目を継いでいますね。(全く関係ない話でした!)