途上国 日本
今、巷では大谷翔平のニュースで大盛りあがりです。でも韓国での開幕戦に向けての盛り上がりと言うより、大谷翔平の奥さんの話でもちきりと言った方がいいでしょう。かく言う私もテレビやユーチューブを探しては飽きずに見ています。しかし、ここで気になったのは日本のマスコミの奥さんに対する報道の仕方です。大谷選手が結婚を発表した時にマスコミがうるさいからと言われたこともあったせいか、ネットでの奥さん探し騒動とは一線を画していました。ところが大谷選手がインスタグラムで奥さんの写真を公開し、その後ドジャースの公式HPで彼女が奥さんであることを発表するとマスコミは一斉に写真付きで奥さんのことを報じました。でも奥さんについては飽くまでも「大谷選手の妻」と言う言い方で統一され、夫人の真美子さん(田中真美子さん)と報じるマスコミはありませんでした。そのうちCNNなど欧米のメディアが奥さんは元プロバスケットボール選手の田中真美子さんと紹介すると何と日本のメディアは「米国大手メディアが大谷選手の妻は田中真美子だと報じた」と言うニュースを恥ずかしげもなく報道しました。テレビでもわざわざ「大谷の妻」とボードで説明しつつ、米メディアによると元プロバスケットボール選手の田中真美子さんだと補足していました。おいおいおい!日本のマスコミはそんなことも調査出来ないのですか!外国のメディアに教えてもらわないと日本のメディアは彼女が誰だかわからないのですか?もちろんそんなことはありません。大谷選手が自分で奥さんの名前を公表していないのでただ黙っているだけですね。奥さんの名前を出すと大谷選手が気分を害して今後の報道に悪影響があると忖度したのでしょうか?それとも日本のマスコミは権力者や有力者が正式に発表されたことしか報道しないと言う姿勢に慣れてしまったのでしょうか。彼女の写真を見れば彼女が富士通レッドウェーブの人気選手だった田中真美子選手だと言うことはすぐに分かるはずです。確かに大谷選手が「普通の日本人」と言ったのは言い過ぎだと思いますが、それでも少し調べればわかることくらい報じてもいいのではないでしょうか?バスケットチームの同僚さえ「おめでとう」とSMSなどで喜んでいます。それでも大谷選手に配慮して奥さんの名前を言わないとしたら、この報道姿勢はどう考えたらいいのでしょう?再捜査があり、家宅捜査まで行われ、誰がどう見ても事件なのに警察庁長官が「事件性なし」と言えば何も言えない日本のマスコミはこんな些細なことでも正式な発表がないと報じられないのですかね。
ところで最近、外国人に人気の北海道のニセコ町では住宅価格やホテル代だけでなく、食べ物でもラーメンが3000円するとか日本人には手が届かない物価になっていると報じられています。東京・築地でもバカ高い寿司とか外国人観光客狙いの高いメニューが紹介され、それでも外国人から見ると決して高くないと言う説明がなされていました。こんなニュースを見ていると30年前のバンコクでの生活を思い出しました。当時、バーミーナムと言うタイラーメンが地元では30バーツ、外人向けの店では100バーツ、それでも日本円にしたら300円か400円だから決して高くないので喜んで食べていました。外人用のマンションは地元の人が住むマンションの何倍もしていたし、観光立国のタイらしくホテルは立派なものが多く1泊のホテル代がタイ人労働者の半月か一月分の給料くらいに相当していました。今、東京のホテルをネットで検索すると1泊10万円や20万円のホテルが数多くあります。最早、日本人はホテルで働き「おもてなし」をする側に回ってしまったようです。そう言えば熊本には台湾の半導体メーカーが日本政府から多額の補助金を得て大きな工場を稼働させました。すでに第二工場まで計画されているそうですが、台湾から来た幹部の下で働く日本人労働者の姿を見ていると30年前にタイ政府から税制上の優遇措置を得て工場を建てまくっていた日本の企業で働くタイ人労働者が目に浮かびました。
日本は過去30年間ほとんど成長が止まり、国民の所得は増えるどころが手取りベースでは徐々に低減していました。マスコミは日本のGDPがドイツに抜かれ4位になったと報じますが、一方でまだ4位だとあたかもまだ日本が先進国かのような印象を与えています。でも国民一人当たりのGDPで見れば日本はイタリアにも負けて今やG7参加国最下位なのです。IMFの統計では2023年10月時点で日本は世界34位、プエルトリコ、キプロス、バハマなどの発展途上国を下まわっています。とてもマスコミが報道するような世界第4位の先進国と言える順位ではないのです。過去30年で経済の低迷以外にも若者のマスコミ離れが進み「貧すれば鈍す」で日本のマスコミ自体どんどん体力を落とし、質を落とすことになり、人手のかかる「調査報道」など出来ない状況に陥り、ただただ政府や有力者の言うことを聞いて報道するだけの機関になり下がってしまいました。この状況は少し前にネットフリックスで見た「TOKYO VICE」と言うドラマの中で日本の新聞社に入社した新人記者ジェイクが上司に言われた言葉によく表れていました。ジェイクはたまたまヤクザが殺された事件現場を目撃し、それをトクダネとしてデスクに上げますが、豊原功補扮するデスクは「お前の見たことなどどうでもいい!警察の発表通り書くのがお前の仕事だ!」と怒鳴りつけます。このドラマは2022年にアメリカの映画会社が制作したものでWOWOWが共同制作として参加しています。監督はアメリカ人でこの描き方からすると、既に構想の時点で日本のマスコミの体たらく、情けない実態はアメリカでも有名だったのかも知れません。
さて、話は元に戻りますが、大谷翔平の妻はいつ、「真美子夫人」として報道されることになるのでしょうか。大谷選手が自ら妻の名前を明かさない限り、この美しい元プロバスケット選手は、ずっと「大谷の妻」と言う封建時代の家系図のような扱いになるのでしょうか?
P.S. 今夜10時のニュースキャスターでは大谷選手の記者会見の報道でさらっと真美子さんと言ってました。さすが、自然体の安住アナの番組でした。これで各局も真美子さんと言ってくれるでしょう。チャンチャン!(と思ったら富士通から正式に発表があったようです‼️富士通さんグッドジョブです‼️)