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蟋蟀(こおろぎ)

蟋蟀、こんな字は歳時記を見るまで見たこともありませんでした。中国語でこう書くそうですが、日本人でこの字を書ける人は何人いるのでしょうね。そう言えば興梠(こおろき)さんと言う友人がいましたが関係ないですね。

最近見たテレビで未来の食糧問題の解決策として昆虫食を取り上げ、コオロギの粉末で作ったお菓子などが紹介されていました。タンパク質やビタミン・ミネラルが豊富だそうですが、昆虫のどこにそんな栄養が隠されているのかとても不思議です。昆虫食と言えば子供の頃、近所のドジョウ屋でイナゴの佃煮を樽に山盛りにして売っていて、私も何度か食べた記憶があります。外国特にアジアでは今でも(と言っても30年前なので「昔は」かも)蜂の子とかゲンゴロウなど昆虫を普通に食べていて、私が住んでいたバンコクでも道端でタガメを山盛りにして売っていました。カラオケバーの女の子がおやつ代わりに店の中で食べているのを見て、私もその大きなゴキブリみたいなタガメを食べたことがあります。特別美味しい訳ではありませんが、スナックみたいな感じだったことを覚えています。

コオロギは平安時代からその美しい声が愛され、虫籠で飼われていたので、日本ではそれを食べるなんてことはしていなかったと思いますが、お隣の中国では大人の賭けの対象だったらしく闘犬ならぬ闘蟋が盛んだったそうです。東南アジアでは昔からずっと食用だし、西洋では肉食の愛玩動物にあげる生き餌として繁殖させているようで、生まれた国によって同じコオロギでも運命はだいぶ違うようですね。

心地よしデート帰りの虫の声

小夜曲やデート帰りの虫の声


デートが終わって家に帰る道すがら、聞こえて来る虫の声もとても気分よく聞こえて来たというなんとも自分勝手な句です。でも考えれば何でも気分次第ですよね。気分が悪い時は好きな音楽でも「うるせいや」ですね❗️

赤とんぼ横断歩道をすいすいと


今日散歩していたら、タイミングよく横断歩道を赤とんぼが渡っていました。信号がわかる訳ではないのになあと思いながらの一句です。まあ有り勝ちな句ですが、本当のことなのでそのまま詠いました。

赤信号日傘の先でボタン押し


歩行者用の押しボタンは普段は何気なく押しているのに567禍の時代になると少しばかり指で押すことに抵抗があります。ちょうど日傘を持っていたのでついその先っぽでボタンを押してしまいました。「赤信号」で歩行者用の信号だとわかってもらえるかちょっと不安です。しかしそれ以前に季語の日傘を粗末に扱っていますよね。季語を活かしていないと夏井先生に叱られそうです。

高台に白嶺のごとさるすべり


大きな家に真っ白な花がところ狭しと咲いていました。よく見るとそれは白サルスベリでした。すべての花がまっ白でとても綺麗でした。高台にある豪邸の庭に咲く白サルスベリの姿は見上げる白嶺のように美しかったという句です。


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