水仙の草原や今静かなり
今日は水仙の絵です。テレビに映った水仙が綺麗だったので思いついて描いて見ました。水仙は日本水仙と西洋水仙があるくらいなので多分日本に古くからあって、明治以降西洋水仙が入って来たのかなと思っていました。でも原産は全てスペイン・ポルトガル中心にした地中海沿岸地域だそうです。日本には室町時代より前に中国から渡って来たとあるのでいつ来たのか分からないと言うことですね。水仙は中国の仙人が由来で天仙、地仙、水仙とそれぞれに仙人がいて、水の傍で長生きしたのが水仙だそうです。そんな訳で和名だけではなく中国でも水仙でした。
学名はギリシャ神話に出てくるナルキッソスから付けられたようで、ナルキッソスは水面に映る自分の顔を眺めてうっとりとしていた美少年の名前です。そう今ではナルシストとして有名ですね。ということは基本的に水辺に咲く花ということですね。日本にも各地で群生しているようですが、私の印象に残っているのはイギリスのヨークシャーの水仙の群生です。その昔、修道女が植えた希望の花と言われています。でも王妃との離婚を望んだヘンリー8世はそれを認めないローマ法王と決別しイギリス国教会を作ってしまいます。それだけならまだいいのですが、イギリスの全ての修道院を解散させてその財産も没収してしまうのです。残ったのは修道女が植えた黄色い水仙の花だけでした。
水仙の草原や今静かなり
一面の緑の草原に咲く黃水仙は誰も住まない別世界です。修道院があった頃とは違ってただ水仙だけが咲いている景色を詠って見ました。しかし「今静か」では説明がないと昔のことは分かりませんね。
水仙の草原修道女はいずこ
「修道女はいずこ」で昔は修道女がいたのかなと思わせました。でもこれでは修道女がどうしたですね。具体性は無くても何となく「今静か」の方が好きです。「今」は「昔」との対比だけでなく「さっき」との対比とも取られてしまいますが、それでも今この瞬間が静かならいいです。