養豚場命の声の響きおり
今日は子ブタの絵です。豚は躾をしなくても、自分の寝床から離れた決まったところでウンチをするらしいです。そのせいかどうかは知りませんが、イギリスやアメリカではマイクロブタのペットが結構人気です。本来、綺麗好きな豚ですが免疫力が強く環境への対応力がある為、人間様はそれに甘えて汚い豚小屋で育てて来た結果、豚は汚い不潔と言うイメージが出来上がってしまいました。豚に申し訳ないですね。そう言えば最近は無菌豚と言う豚もいるようですが、市場に出ている無菌豚は大抵は健康豚で正確には無菌ではないようです。
世界の豚飼育頭数の半分は中国というくらい中国人は豚好きで中国語で「肉」と言えば豚肉を意味します。養豚は中国では新石器時代からと言われるくらい古いもので日本でも縄文や弥生時代には養豚が行われていたようです。でも日本では中世以降は長崎や沖縄を除いては実質的に禁止されて、養豚はほとんど見られなくなりました。明治維新以降に肉食が始まっても当初は牛鍋(すき焼き)など主に牛肉が食べられていました。それが明治の終わり頃から富国強兵の一環で養豚が奨励され、関東地方では徐々に「ビフカツ」が「とんかつ」に代わり、肉じゃがの肉も牛肉から豚肉に代わっていったようです。関西では食べ物のことで政府の言うことなど聞くはずもないでしょうね。
ヨーロッパでも養豚は古くからありましたが、主に穀物の生産量が少ない北部山間部で豚を森に放し飼いにし、ドングリなどを食べさせて育てていたようです。北方民族のドイツではその豚をハムやソーセージにして食べていて、今でもその習慣がきちんと残っています。ゲルマン民族の大移動で食通のスペインやイタリアに豚がもたらされるとイベリコハムや生ハムなどのドイツハムとは一味違う美味しいハムが出来上がったのでしょうね。
豚は脂身が多いと言う印象がありますが、実は豚の体脂肪は成人男子と同じくらいだそうです。成人女性はもう少し多いですね。(失礼しました。)それくらい人間に近いから動物実験や人工臓器の代わりに使われたりするのかも知れませんね。
猪は秋の季語ですが、豚は季語にはなっていません。江戸時代に食べられたのは猪鍋(ぼたん鍋)くらいでしょうから、当然と言えば当然ですね。
猪狩の銃声木霊す山深し
実際に体験したことはないのですが、テレビで見た猟師の打つ銃の音が山に木霊す様子はとても神聖な出来事のように思えました。
養豚場命の声の響きおり
食べられる為に生きている豚の悲鳴。食べられるとは知らないのかも知れませんが、ブーブーと鳴くその声も、待っている運命を考えると物悲しく聞こえて来ます。