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パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました【同人誌サンプル】


 ――その瞬間。私は確かに、死んだなと思いました。

 休日なのに少し早く目が覚めたその日、すごーくいい天気だったので朝食と家事を一通り済ませたあと、散歩に出た。
「気持ちいいー」
 青い空に最後の桜が散っていく。本当はコンペのアイディアを練りたいところだけれど、こんな日に出かけないなんてもったいない。それに、部屋に閉じこもっておくよりも気分転換になって、いいアイディアが出るかも。
 歩道橋に差しかかったら、前をお婆ちゃんが歩いていた。少し足が悪そうで、ゆっくりと階段を上っていく。その少し後ろを、私もゆっくり着いていった。なんで歩道橋って、エスカレーターやエレベーター付きにならないんだろう? こうやって困っている人がいるのに、不思議だな。なんてどうでもいいことを考えていたら、お婆ちゃんが最後の一段を踏み外した。
「危ない!」
 咄嗟に手が出たけれど、女の私が成人女性ひとりを支えられるわけがない。今度は私が足を踏み外した。
「うそっ!?」
 後ろ向きに自分の身体が落下していくのが、スローモーションのように感じた。おかげで、お婆ちゃんが手すりに掴まり、驚愕の表情でこちらを見ているのが見える。まあ、お婆ちゃんが無事ならいいや。私はこれ、確実に死ぬだろうけれど。無駄死にじゃないし、親や友人もお婆ちゃんを庇って自分が落ちるなんて、私らしい最後だと笑ってくれるだろう。
 そのときを覚悟して、静かに目を閉じる。しかし、衝撃も痛みもやってこない。即死だとそんなものなのかな……? なんて思いながら目を開けたら、スーツのイケメンに支えられていた。ナチュラルにパーマをかけ、七三分けにされた黒髪。メタル素材のボストン黒眼鏡の向こうからは少しつり上がった、意志の強そうな目がこちらを見ている。滑らかな肌は、髭が生えるのかすら疑わしい。こんなイケメンがその辺に生息しているとは思えないし、天使なんだろうか……?
「天使が空から降ってきた」
 ぼーっと見取れていたら、目尻をにっこりと下げた彼が私を立たせてくれる。
「どこか痛いところとかない?」
「……ない、です」
 気持ちが凄くふわふわとするが、これは別に打ち所が悪かったわけじゃないと思う。こんな綺麗な男の人がいるんだ。芸能人かなんかなのかな……?
「あの。ありがとうございました。お礼にお茶……」
 くらい誘っても、バチは当たらないだろうなんて考えていた私を、予想の斜め上どころか突き抜けた事態が襲ってきた。
「じゃあお礼に、今すぐ役所へ婚姻届を提出へ行こう」
「……は?」
 まったくなにも理解できず、間抜けにも一音発してまじまじと彼の顔を見る。彼はすでに私の手首を掴んで一歩踏み出していたが、私が着いてこないものだから怪訝そうに振り返った。
「どうしたの?」
 その台詞、そっくりそのままお返ししたい。私から返事がないからか、空いている手を軽く握って顎に当て、理由を考えているみたいなのはまあいい。しかし、考えるまでもなくわかると思うんだけれど?
「……ああ」
 私から手を離した彼が、ぽんと軽く手を打つ。やっとわかってくれたのかと期待したものの。
「婚約指環がまだだから、拗ねてるんだ?」
「ちっがーう!」
 秒で、しかも全力で否定した。けれど彼はなにかを探しているのか、自分のスーツをぱたぱた叩いている。
「婚約指環は今すぐ準備できないから、代わりにこれでいい?」
 と、彼が尻ポケットから出して手にしたのは――手錠だった。
「……え?」
 なんでこの人、手錠なんか持っているの? もしかして、危ない人? 気づかれないようにじりじりと後ろに下がり、私がダッシュして逃げるより先に彼の手が私の手首を掴む。
「はい、これでもう、僕のものだよね」
 手錠が私の手首に触れた瞬間。ピリリッ、と携帯の着信音がすぐ近くから聞こえた。
「今忙しいのに……」
 文句を言いつつ男はスーツの内ポケットから携帯を出し、出た。
「なに、東本ひがしもとくん。今から婚姻届を出しに行くところなんだから、邪魔しないでほしいな」
 きっと電話の相手が私と同じく普通の人ならば、彼がなにを言っているのか頭を悩ませていることだろう。
「なんでどいつもこいつも、僕が天使と結ばれるのを邪魔してくるかな。そんなヤツは即逮捕で極刑だよ」
 なんだか物騒なことを言いながら男は足を踏み出している。
「報告はそちらへ向かいながら聞くよ。そっちのほうが効率いいだろ? んで、なんだって?」
 足の長い彼が、しかも足早に歩いていくので、あっという間に距離ができた。さらに急いでいるうえに話に集中しているのか、こちらをちっとも振り返らない。すぐにその姿すら見えなくなった。
「なん、だったんだろ……」
 怒濤の嵐が唐突に去っていき、呆然とその場に立ち尽くす。
「大丈夫かね!」
 その頃になって、歩道橋を降りてきたお婆ちゃんから酷く心配された。
「怪我しとらんね?」
「あ、いえ。大丈夫、です……」
 変な男にいきなりプロポーズされたせいで忘れていたが、落ちそうになったお婆ちゃんを助けようとして、反対に私が落ちたんだった。
「あんたを受け止めてくれたお兄さんにもお礼を言わんといけんけど……」
 どこにいったのかとお婆ちゃんが辺りを見渡す。
「用事があるとかで、行っちゃいました」
 曖昧な笑顔でそれに返した。それに、あんなわけのわからない状況にお婆ちゃんを巻き込まないで済んでよかった。
「それよりすみません、わざわざ下りてきてもらって」
 お婆ちゃんは階段を上るのが大変そうだった。なのに、私を心配して下りてきてもらうなんて申し訳ない。
「いいの、いいの。あんたこそ、私を受け止めてくれてありがとう。とにかく、怪我がなくてよかった」
 お婆ちゃんは喜んでいるが、確かにあれで私が死んだら後悔するかもしれない。そこは、助けてくれたあの男に感謝しておこう。
 お婆ちゃんと笑顔で手を振って別れる。姿が見えなくなり、気が抜けて大きなため息をついた。
「……帰ろう」
 もう散歩などどうでもよくなり、とぼとぼと家に帰る。いったい、あの人はなんだったんだろう。散々人を振り回しておいて、なんの説明もなくさっさと私を置いて去っていくなんて、わけがわからない。しかも、手錠をかけられそうになったし。
「あー、もー、イラッとする!」
 考えれば考えるだけ、苛々してきた。これはもう、コンビニスイーツを買ってもいいよね!

篠永しのながさん。それ、見本? オレも手伝おうか?」
 見本の詰まったパッキンを運んでいたら、私より少し年上の男性社員に声をかけられた。
「ありがとうございまーす。でも、大丈夫なのでー」
 にっこりと笑顔を作ってそれを断る。会議室に入ってひとりになった途端、大きなため息が出た。
「……これくらい、ひとりでできるって」
 入社して三度目の春。もういい加減、独り立ちできている。しかし、男性社員たちはいまだに、私を新入社員のように扱った。その原因は。
「……いっそ、丸刈りにでもすればいいのかな?」
 自分の髪先を摘まみ、またため息が出る。肩までの茶髪は、緩くウェーブしていた。別に染めているわけでもパーマをかけているわけでもなく、これが天パの地毛なのだ。髪だけじゃなく全体的に色素が薄いので、肌も白いし目もライトブラウン寄り。それだけならまだいいが、つぶらな瞳に小さいけれどぷっくり真っ赤な唇と、まるでフランス人形のような顔をしている。おかげで男性から人形のように可愛いと、すぐに目をかけられるのが悩みだった。あと、身体もちょっと弱くて風邪を引きやすいのも。
 パッキンを開けて見本をてきぱきとセットしていく。今回の見本は新商品の、リングが邪魔にならないバインダーノートだ。私は大手文具メーカーの、営業部で働いている。
 できあがった見本を抱え、会議室を出て営業社員に配って回る。
「ありがとう、かやちゃん」
 ただの同じ職場の男性に、鼻の下をだらしなく伸ばしてあだ名で呼ばれても、危険を感じるだけだ。でも、そうは思わない人もいるらしく。
「篠永さん」
 見本を配り終えたところで、私より少しばかり年上の女性社員、森田もりたさんから呼ばれた。
「これ」
 ドン!とA4サイズコピー用紙五パック入りの箱が、目の前に置かれる。中身はコピー用紙ではなく、書類が詰まっているのは知っていた。
「整理、お願い」
 にたり、と彼女の口端が醜くつり上がる。
「……それは私の仕事ではないですが」
 無駄だとわかっていても、一応聞いてみた。書類の整理は派遣さんの仕事だ。それを、私に頼む理由がわからない。
「今日、中田なかたさん、休みなの」
 派遣の中田さんが休みなのは知っている。なら、これは明日、中田さんにやってもらえばいいのでは?
「それに篠永さん、暇でしょ? だって仕事は全部、男がやってくれるんだから」
 同意を求めるように彼女が周囲を見渡し、それに答えるかのようにくすくすと忍び笑いが起きた。
「……わかりました」
 箱を抱えて自分の席に戻る。私は男性社員に仕事を手伝ってもらうとか、ましてや代わりにやってもらうとか、しない。しかし周囲の女性は事実を歪め、私をやっかんできた。否定したが、受け入れてもらえるどころかさらに嫌がらせは酷くなり、私はもう諦めてしまったのだ。
 できるだけ早く仕事を終わらせ、書類の詰まった箱を抱える。
「篠永さん、書類整理? 手伝おうか?」
 書庫へ向かいかけたら、外回りから帰ってきた男性社員が声をかけてきた。
「ありがとうございまーす。でも、大丈夫なんで」
 明るく笑って、それを断る。
「でも、今からだと確実に残業だろ? ふたりでやったほうが……」
「大丈夫なんで! じゃあ!」
 にっこりと笑顔でそれ以上なにも言わせない空気を作り、足早にその場を去った。彼が、好意からそう言ってくれているのはわかっている。でも、100%純粋な好意とは言い切れない。男性と鍵のかかる部屋でふたりっきりになるとか、絶対に避けなければならないのだ。
 残業にはなったものの、てきぱきやったので七時には会社を出られた。
「今日こそ僕と結婚しよう、マイ・エンジェル」
 会社から一歩出たところで、立派なバラの花束に目の前を遮られる。おかげで、急ブレーキをかけて止まらなければいけなかった。
「……は?」
 花束を手で押さえ、どうにか向こう側を見る。それくらい、大きな花束なのだ。そこには昨日、私に手錠をかけようとしたヤバい男が立っていた。しかもなぜか、タキシード姿で。
「さあ、一緒に役所へ行こうじゃないか」
 彼が私の手を取り、口づけを落とす。周囲にはバラの花束を抱えたイケメンからの口づけなんてロマンチックに見えているらしく、小さな悲鳴がそこかしこから聞こえる。しかし、私はといえば彼の唇が触れた指先から鳥肌が頭のてっぺんまで駆け上がってきただけだった。
「けっこうです」
 きっぱりと彼を振り切り、足早に歩き出す。
「昨日は指環がなくて拗ねてたんだろ? 今日はほら、用意……」
 ポケットに手を突っ込んだまま、彼が止まった。
「あれ? あれあれ?」
 目的のものが見つからないのか、彼はジャケットからスラックスから、ポケットをすべてひっくり返している。彼の目が逸れ、足も止まっているあいだに、脇道に入って距離を稼いだ。
「……なにあれ」
 どうやって会社を突き止めたんだろう。怖い、怖すぎる。これってもしかして、警察に相談案件? ……でも。
 勢いよく歩いていた足は次第に遅くなっていき、そのうち止まった。
 ……こんなの職場の人に知られたら、自業自得、それどころか私が悪いってまた、変な噂を立てられる。
「……はぁーっ」
 重いため息をついて、とぼとぼと遠回りで駅へと向かう。もうこれは、転職しかないのかな……。

「今日こそ僕と結婚しよう、マイ・エンジェル」
 翌日も会社を出たところで、大きなバラの花束に行方を塞がれた。今日もタキシード姿で、あの男が真っ赤なバラの花束を私に差し出してくる。
「……しません」
 私から出た声も、視線も酷く冷たかったが、そうなるだろう。
「今日はちゃんと、指環も用意してきたよ」
 私の前に跪き、男が開けたケースの中には、ダイヤが眩しい指環が入っていた。
「さあ、このまま役所へ行って、婚姻届を……!」
 指環を掴み、男が私の左手薬指に嵌めてくる。
「だから、しませんって!」
「あっ」
 私が手を振り払ったはずみで指環が勢いよく弾かれ、地面に落ちた。ころころと転がっていくそれを、男が追う。
「……えっと……」
 あんな高価なものがなくなったらどうしようという気持ちはあるが、逃げるなら今しかない。
「……ごめん」
 短くそれだけ落とし、罪悪感を抱えながらその場を去る。
「はぁーっ……」
 駅のホームまできて、ようやく息をついた。指環を探しているのか、男は追ってこなかった。なんであの人はこんなに私に執着しているんだろう。だいたい、邪険に振ったら、お高くとまっているとか言って諦めてくれるのに。

 二日もあんな目立つ男に待ち伏せされ、しかも会社の前で求婚されたものだから、社内では完全に注目の的になっていた。
「モテる女はつらいわねー」
 そう言いながら森田は、ニヤニヤ笑っている。
「このあいだのキャンペーン企画の抽選データ、お願いできる? 今日中に」
「あの、私、やったことがなくて……」
 彼女の言うデータとは、抽選企画で当選した、応募者の個人データの抽出と、アンケートのまとめだ。でも私はまだその仕事をやったことがないので、やり方がわからない。
「はぁっ? もう三年目なんだから、それくらいやったことあるでしょ? ああ。誰かにやってもらったから、わかんないんだぁ?」
 にたりとイヤラシく、彼女の目が歪む。その顔を見て惨めになっていった。
「……いえ。大丈夫、です」
 視線を机の上に落とし、ぽつりと呟くように返事をする。たまたま今まで、その仕事が私に回ってこなかっただけ。なのに、なんでこんなふうに言われなきゃいけないんだろう。
「じゃあ、お願いねー」
 私を屈服させて満足したのか、彼女は愉しそうに去っていった。ひとりになり、マニュアルを探す。今日は残業確定だ。
 とりあえず他の仕事を最速で終わらせ、作業に取りかかる。四苦八苦してやっているうちに終業時間になり、部内の人があっという間に少なくなった。データ抽出まではなんとかできた。しかし問題は、アンケートのまとめだ。
「かやちゃん、残業ー?」
 親しげに私を呼んで近づいてきた、私よりも少し年上の男性社員は、あくまでもただの同僚だ。ただ、よく食事に誘ってくるので、それはのらりくらりとかわしている。
「ええ、はい。そうでーす」
 言外に話しかけるなという笑顔で、彼を見上げる。
「手伝おうかー?」
 けれどそれは効いていないようで、彼はさらに話しかけてきた。
「いえ、……」
 断りかけて、止まる。このままだと下手したら、終電に間に合わないかもしれない。それに、手に負えない量の仕事を手伝ってもらうのは、正当な理由では?
 そろりと部内を見渡して他に女性社員が残っていないか確認し、口を開く。
「お願い、できますか?」
「いいよ、データ半分、こっちに送りな」
 珍しく私に頼られたのが嬉しいのか、男性社員の顔がぱーっと輝いた。
 手伝いがあったおかげで、思いの外仕事は速く片付いた。
「ありがとうございました、助かりました」
「かやちゃんの役に立てたんならいいよ」
 彼は嬉しそうににこにこ笑いながら、私の次の言葉を待っているように見えた。
「えっと……」
「うん?」
 期待を込めた目で彼が私を見る。なにを期待されているのかはわかるが、それはできるだけ避けたい。避けたいが、仕事を手伝ってもらっておいて、なにもしないなんて社会人として許されないわけで。
「お礼に食事して帰りませんか」
 せめて、後日の約束だけは避け、今日中に終わらせたい。
「いいよー」
 一瞬考えたあと、軽い返事で彼は立ち上がった。
 会社を出て、周囲をきょろきょろと見渡す。
 ……さすがに今日はいないか。
「なにやってんの?」
 私の行動が不審だったのか、男性社員は怪訝そうに聞いてきた。
「あっ、なんでもないです」
 それに、慌てて笑って誤魔化した。時刻はすでに十時を過ぎている。そう、何時間も待ったりはしないのだろう。それとも、もしかしたら昨日の私の態度に嫌気が差して、やめたとか? だったら、いいのに。
「そーいや、変な男につきまとわれてるんだって?」
 歩き出した私に、すぐに彼が追い着いてくる。
「あー、そーですね……」
「オレでよかったら相談に乗るよ?」
「ありがとうございます。でも、大丈夫なので」
 なにが大丈夫なのかまったくわからないが、とりあえずやんわりと断った。そうじゃないと彼が第二のあの男になりかねない。
 遅くまでやっている居酒屋で食事をする。
「かやちゃんは飲まないの?」
「あー、まだ明日は仕事なんで……」
 適当な笑顔を貼り付け、ウーロン茶を口に運ぶ。食事を後日に持ち越さず、無理矢理でも今日にした理由。明日は仕事だからとお酒を断れるからだ。まさかそこまで……とは思うが、酔わせてどうこうは警戒しなければならない。
「かやちゃんってほんと、可愛いよねー」
 締まらない顔で彼が、へらへらと笑う。
「ありがとうございます」
「オレ、かやちゃんみたいな子、めっちゃタイプー」
「そーですか」
 作り笑顔のまま、彼の話を聞き流した。タイプとか言われても全然嬉しくない。彼らが好きなのは私の顔であって、性格や仕事ではないのだ。あとは、小柄なのでいざとなれば力で言うことをきかせやすいというのもあるかも。
「そろそろ帰りませんか。終電なくなりますし」
「そーだねー」
 彼は笑顔だったが、目の奥はまったく笑っていなかった。
「オレはもうちょっと、飲みたいかも」
 試すように彼が私の顔をうかがう。そのイヤラシい視線に背筋が粟立ったが、努めて平気なフリをした。
「私は終電あるうちに帰りたい、ので。ごめんなさい。会計、しておきますね」
 伝票を掴み、鞄を持って立ち上がる。彼はそれ以上、追ってこなくて助かった。
「……はぁーっ」
 駅に向かいながら、ため息が漏れる。どうして下心ありの男ばかり、私に寄ってくるんだろう。いっそ、整形しようかとすら考えた。

……以下、続く。

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