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東海村の統計調査に携わって32年!小泉榮一(こいずみ・えいいち)さんの想いをキリトル

プロフィール

1949年(昭和24年)生まれ。
東海村石神内宿で育ち、現在に至る。
平成4年、当時の区長推薦によって統計調査員に任命され、現在まで約32年に渡り統計調査員に従事する。
長年の経験を活かし、現在は主に調査指導員として、新人の指導や各種調査時の調査票チェック、確認等にあたっている。
さらに、東海村統計調査事務研究会(現在会員41名)の会長に推薦され、現在も会長としてご活躍中。

茨城県知事に表彰された時の記念写真
村上達也元村長との一枚

そもそも「統計調査」とは何でしょうか?

一定の条件(時間・空間・標識)で定められた集団について調べた(あるいは集めた)情報を集計し、加工することで得られるデータであり、その調べた集団の傾向や性質を表すもので、統計を作成するために行なわれる調査のことが、統計調査であると定義されています。

例えば、5年毎に行われる「国勢調査」については、みなさん一度はニュースなどで耳にしたことがあるのではないでしょうか?

それぞれの地域に住む人や世帯に関する全国統一で行われる唯一の全数調査です。世帯の種類や人数・世帯員の年齢・性別・職業・従業地などを調べます。

その他、経済センサス、住宅・土地統計調査、農林業センサス等、統計調査と言われる調査には多種多様なものがあります。

これらの調査結果はまちづくりや企業活動、あるいは、過去に行った事業の検証などに活用される大切な調査となります。

統計調査員を始めたきっかけは何ですか?

当時住んでいた地域の区長さん(現在の自治会長)に、「統計調査員は、誰にでも出来る役割ではない。地元の地域はもとより、東海村に貢献できる大切な役割だ」と、強く勧められたことがきっかけです。

(引き受けた決め手)
●当時43歳と若かったこと
●当時の仕事は、時間を調整することが比較的可能であったこと
●何より、どのような事をするのか興味関心があった

具体的な活動内容は

任命された当初は、農業調査と国勢調査のみ担当しており、役場の担当部署や指導員、先輩調査員に教わりながら、地元(石神地区)の調査を担当していました。

その後、徐々に調査員としての役割も増えていき、多様な調査に長年携わってきました。現在は、主に後輩調査員を育成・指導する指導員としての立場で活動しています。

かつては毎年実施していた統計調査員の研修会(統計資料館の見学)

32年間続けられた秘訣は?

長年続けてこれたのには、いろいろな理由ありますが、一番は、調査員としての活動が私に合っていたことだと思います。思い返してみると、多くの人とのつながりと、自分の好きなことが統計調査員の活動につながっています。 

(継続の秘訣)
●地元育ちで、当時は中学校が村内に1校しかなかったので、地域の中に同級生がたくさんいて協力してくれたこと
●若い頃、青年会の役員や消防団、農業関係の役員をしていたので、先輩や後輩などの知人がたくさんいて支えてくれたこと
●子どもの頃から算数が好きだったこともあり、統計調査の数字を扱う側面に惹かれたのかもしれない

調査での気苦労やハプニングなどあれば教えてください

農業関係の調査では、野菜の売り上げに関する項目があったのですが、正直に答えてしまうと税金が上がってしまうのではないかと警戒されてしまい、記入をためらう方がたくさんいて、その都度、丁寧に説明しながら、粘り強く調査に協力してもらうのが大変だったという記憶があります。

また、住宅・土地統計調査では、アパート住まいの方に調査協力をお願いしたところ「アパートの借り手ではなく持ち主がやる事だろう」と記入を拒否されてしまうことや、そもそも住んでいる方になかなか会えない、時には居留守を使われてしまうなんてこともありました。

会長として調査員のみなさんに期待することは

平成17年に「個人情報保護法」が施行されて以降、統計調査を取り巻く状況は大変厳しいものになりました。

戸別訪問時にお断りされるケースも増え、身体的にも、精神的にも、苦労する場面が多くなったように感じています。
しかし、何より社会に役立つための調査と考え、出来るだけ長く務めてもらいたいと思っております。

また研修の機会を設けたいと思う今日この頃です(食と農の科学館見学)

取材を通して

統計調査員の盟友同士(左:小泉さん、右:取材者、田中)。目下の課題は「若手の育成」です

取材者である私も、統計調査員を既に12年務めております。

調査票の回収は、訪問または郵送(近年はインターネットでの回答もあるが…)が主流であるため、国勢調査を含め全ての調査において、戸別訪問して調査票の作成を依頼しています。

アパート住まいの方々は不在、または留守などが多く、その分、朝や夜の訪問(古い言葉で言えば「夜討ち朝駆け」なんて言い方もありますね)も増えるなど、大変な仕事です。
小泉さんが最後に仰っていた「何より社会に役立つための調査」という言葉を心に刻み、粘り強く対応することが重要だと改めて思いました。

また、コロナ禍で途絶えている調査員の研修会を復活させて、会員相互の研鑽と親睦も重要になりますね。調査員同士で調査での悩みやストレスを話し合い、一人で悩みを抱え込まず、解決する手段を見つけ合うことも重要だとインタビューを通して感じました。

▼取材・執筆・撮影担当者

田中克朋/取材・執筆・撮影
秋田県鳥海山の麓に生まれ、就職を機に茨城県へ。東海村には50年近く在住。会社員時代にタイ王国へ出張も含めて通算8年ほど駐在し、現在も現地の人たちと交流をしている。趣味は写真をベースにインスタグラム等のSNSで村内の風景を発信すること。「T-project/東海村スマホクリエイターズLab.」では若い世代に教わりながら楽しんでいます。

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