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アイスランド旅行記⑬しみじみレイキャビク散歩

前回までのあらすじ

アイスランドで一番高い建物と言われる「ハットルグリムス教会」に到着。景色は霧に遮られたものの、千年前のバイキング「レイフ・エリクソン」に思いを馳せたり、日本人家族を見かけたりと、印象的な出来事がいくつも起こった。

レイキャビク中心地の街並み

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教会から少し歩いたところで、ふと後ろを振りってみる。やや霧がかった道路の先に霞んだ教会が見えて、なかなか神秘的だった。

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教会近くの交差点の様子。道行く人々がスタイリッシュだ。まだ時間はそれほど遅くないのだが、曇っているせいで夕暮れ時のような不思議な雰囲気を醸し出していた。

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家と家の間に、アイスランド国旗が吊るされたロープが。

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お洒落な路面店が立ちぶメインストリート。
アイスランドは観光で成り立っている国でもある。他の北欧諸国同様、物価がかな〜り高い。そのため、ショッピングを楽しむことは出来なかった。心残りがあるとすれば、何かとっておきの雑貨を買って帰ればよかったなぁということ。買わないにしても、恐れずに店内でウィンドウショッピングくらいはすれば良かったけど、外を歩くだけで精一杯だった。

2日目の夜ご飯

さて、今夜のご飯を考えなければならない。
クレジットカードが使えなくなったこの旅行。機内食とホテルの朝食以外、まともな食事をとっていない。ただし日程はまだ1週間以上残っている。今後の支出を考えれば、レストランで食事をするのは無謀だ。

私が選んだのは、コンビニとスーパーの間のようなお店。
中に入ると、地元の人と思われるお客さんが数人いるだけで静かだった。店内を見て回り、自分が食べられそうなもの、かつ安いものを探す。手頃なサンドイッチを見つけ、ミネラルウォーターも手に取ってレジへ向かった。
(アイスランドの水道水は安全。ただ、温水は硫黄分があるので、心配な人はミネラルウォーターを買うと良い。)

レジのスタッフは、30代くらいの男性だった。いかにもアルバイトという感じの風貌で、店に入った時から仏頂面で立っていたが、商品を持っていくとやや笑顔になって会計してくれたことが印象に残っている。
ここではアイスランドクローナを使って会計した。

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「Heilsubiti」は、健康食品という意味らしい。下に「ベジタブルズ&エッグ」と書いてあるように、日本にもあるような野菜と卵のサンドイッチだ。私なりに、野菜も摂らないと倒れたら大変だと思ってのチョイス。

アイスランドに着いてから、日本にもあるようなものしか食べていない。まあ、体に合わないものを食べて体調を崩したら大変だし、妥協点だと考えよう。

海辺を歩く

お店を出て、さらにメインストリートを真っ直ぐ歩いていくと、海辺に突き当たった。

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海が見えると落ち着くのは、地元を思い出すからだろうか。といっても、私の地元で見える海は太平洋。ここは北大西洋。「続いている」という感覚も持てないくらい遠い、アメリカ大陸を挟んだ向こう側だ。それでも港町の匂いというのは、どこも共通するものがあるらしい。靄がかったぼんやりとした景色が、「海に来たんだなぁ」という感覚にさせてくれる。

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交通量の多いエリアまで来ると、さすがに人の流れを感じた。アイスランドは「氷と大地の世界」と思っていたが、やっぱり近代都市だった。

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今日を振り返る

レイキャビクをたっぷり歩き回り、気がつけばあたりが暗くなり始めていた。

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ホテル前の道。お昼に撮った写真と同じ位置だけど、夜になると雰囲気が全然ちがう。街頭は付いているものの、建物の部屋の明かりの数が少なく、街全体が眠りについたかのような光景だった。家や会社の数が、東京とは比べものにならないくらい少ないのだろう。

ホテルに帰り、例の渡り廊下を歩く。この渡り廊下部分は天井も壁もガラス張りになっているため、外の暗さがダイレクトに入ってきていて、室内なのに外のような、不思議な空間だった。

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↑右側の白いドアが私が泊まった部屋である。
今ここから、どこでもドアが繋がっていたらいいのに。

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ちょっとした美術館のような内装である。

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部屋からの景色 夜ver.
広場の街頭だけがポツンと光っており、寂しい感じ。

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ホテルの部屋に戻ると、お昼に荷物を置きに来ただけの場所なのに、なぜか我が家のようにホッとした。思えば、私は一人暮らしをしたことが無いので、外出先から「自分専用の部屋」に帰るということ自体が初体験。
結果的に危険な目に会うことはなかったものの、街歩き中は常に気を張っていたので、ようやく安全な場所に戻ってきたんだという安心感があった。

椅子に座り、机の上に先ほど買ったサンドイッチを置く。それを頬張りながら、今日一日のことを振り返った。ハットルグリムス教会では霧で景色が見えなかったりしたけれど、計画の通りに一人でレイキャビク観光を楽しめたこと。大きな達成感を噛み締めた。

今思うと、レイキャビクには他にも美術館や博物館など、訪れるべき場所がたくさんあったと思う。ショッピングも出来なかった。けれど、湖と教会を見て、散策しただけだったが、それでも十分の満足感を得られていた。不思議なもので、自分にちょうど良い塩梅が分かっていたという感じがする。

どんな旅でも、100%楽しみ切るのは難しい。時期や天候、体調、予算……全てをパーフェクトにするのは不可能に近い。
アイスランド旅行の2日目は、当時の私が出来る最高のレイキャビク観光だったと思う。

明日は、いよいよボランティアの仲間と合流する。どこの国から、どんな人が、何人参加するのか。何も知らない状態だった。

まだ12日ほど旅が続くことに変わりは無いが、完全に一人で行動するのは今日が最後だ。どうなるか分からないけど、頑張ろう。きっと大丈夫だ。
そんな気持ちで、眠りについた。

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おまけ:シャワールーム。もちろん浴槽は無い。ホテル生活は楽だけれど、やっぱりお風呂が恋しくなってくるね。









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