アイスランド旅行記⑳ Stöðvarfjörður(ストズヴァルフィヨルズル)の風景
前回までのあらすじ
ボランティア団体が所有する、大きな一軒家での共同生活が始まった。昼食と夕食は当番制で作ることや、ワークの内容や時間は毎朝自分たちで話し合って決めることが決められる。作業は大掃除からスタート。初日の夜はみんなでレクリエーションをして仲を深めた。
2日目のワーク
現地時間 2017年2月22日
2日目のワークは、よりピンポイントに絞った掃除だった。
昨日一日中掃除をしたことで、家の中のあらゆることが明らかになった。例えば、地下室では横置きの冷蔵庫を見つけた。長い間使われていなかったようでかなり汚れていたが、これが使えれば、キッチンの冷蔵庫だけでは収まらない食料を入れることができる。また、地下室の奥にある物置では、大量のスキー用のストック(杖)も見つけた。
今まで色んな国籍の参加者たちが使ってきた家。お宝が眠っている。
私は横置き冷蔵庫の担当になり、2人組でせっせと綺麗にした。とにかく汚れが酷く、ここに食材を入れるなんて…と思わせるような状態だった。立派な掃除道具などは無かったので、お酢を使って磨く。朝のミーティングから、リーダーの女性が「vinegar」を連呼するのだが、私は彼女のビネガーの発音がなぜだか気に入ってしまい、以来日本で酢を目にする度に心の中で「vinegar」と呟いている。おかげで、酢=vinegarだけは一生忘れない。
vinegarのおかげで冷蔵庫は見違えるほど綺麗になり、かなりの達成感を得ることができた。
掃除や手入れをすれば使える物が増え、生活が豊かになる。そんな当たり前のことを、日本から遠く離れたアイスランドで実感していることが面白い。
Stöðvarfjörðurを散歩
昼食を食べ、午後は家の近所をみんなで散策することになった。
11日間がっつりボランティア活動をすると思っていたのに、2日目にして遊びタイムがあるなんて良いのか…?と思ったが、とりあえず服を着込んで外に出る。
家の前は広い車道だった。左手奥に小さく見えているのが、私たちの家だ。オレンジの模様が目印。
雪は積もっているものの、北海道や新潟など日本の豪雪地帯に比べれば全然大したことないのではないだろうか。昼間は降ってさえいない。寒さも厳しいほどでは無かった。季節によるものだろうか。
このあたりは、郊外らしく大きな家か目立つ。屋根が平らな家もある。
少し進むと、「Einarsstaðaa ytri」と書かれた看板があった。この旅行で数少ない「地名が写った写真」なのだが、この地名、検索してもヒットせず…。似た地名はあるのだが、アイスランドの明らかに違う場所が出てきてしまう。もし分かる人がいたら教えてほしいなぁ。
例の、湾になっている海。雪山とセットだからか、「自分の知っている海じゃない」という感じがした。
前に立つだけで様になる背景だ。
みんなで海に雪玉を投げた。
良くありそうで、意外と出来ない経験かも。
そして自分でも驚いたことに、散歩するだけのことが、なんだかすごく楽しかった。
凍った地面の上をスケートのように滑ってみたり、雪玉を投げてみたり。
出かける前の「遊んで良いのか」という疑問は、もう無くなっていた。
「臨機応変に、心のままに行動する方法」もアイスランドに来て学んだことの一つだった。私は、例えば「ボランティア活動」というプロジェクトに参加するなら、ボランティアをするために集まったのだから当然それだけに勤しむものだと思ってしまう性格。そのせいで「自分がやりたいこと」に気付く「余白」が無かったのだ。
私の生真面目な性格は、日本の教育を素直に受けてきたからなのかとも思うけど、別に日本で育っても「遊びの余白」をとるのが上手な人はいるし、海外でも下手な人はいるだろうから、関係無いのかもしれない。これは海外経験というより、偶然参加した活動で得た教訓といった方が良いだろう。
アイスランドでの共同生活をきっかけに、少し自分の意思というものに耳を傾けられるようになった気がする。これについては、また違う回でまとめられたらいいなと思う。
↑お気に入りshot。犬の散歩inアイスランド
当たり前だけどアイスランドにも犬を飼っている人がいる。アイスランドで飼われている犬もいる。今も元気かなぁ。
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