東京ルールとは【今日の医学 vol.3】
東京では、年間約69万人が救急搬送されている。
速やかに運ばれている患者さんがいる一方、
受け入れ医療機関がスムーズに決まらないケースもある。
その数、約6,600件。
地方では、二次救急指定病院が圏域に1つしかないこともあり、
おのずと病院の責任は重くなり、患者さんを受入ざる負えないが、
東京は病院が多く、当事者意識を持ちにくい。
自分の専門外の患者さんは、専門の先生のいる病院へ回した方が
患者さんの為だと考えてしまう。
そのような中で、救急患者さんを迅速に医療の管理下におけるよう、
2009年に「救急医療の東京ルール」が設定された。
ルールⅠ 救急患者の迅速な受け入れ
ルールⅡ トリアージの実施
ルールⅢ 都民の理解と参画
都内の医療圏域ごとに「地域救急医療センター」を設置。
医療機関への受け入れ照会を5回、もしくは選定に20分以上かかった際に、
救急隊と並行して、受入先の調整を行う医療機関。
固定型として365日稼働している医療機関もあれば、
月に数回、当番型として稼働している医療機関もある。
さらに、東京消防庁に「救急患者受入コーディネーター」を設置。
地域救急医療センターの地域内で調整困難な場合、東京全域で調整を行う。
尚困難な場合は、地域救急医療センターが受け入れる。
東京ルールを実施後、
救急患者さんの増加と受け入れ医療機関の減少により、
救急搬入時間全体は短縮されておらず、逆に伸びている。
東京ルールの対象となりやすいのは、
・整形外科
・精神科
・酩酊状態
・住所不定など
2020年度は、新型コロナウイルスの影響で、
東京ルール事案は、前年比143%。
感染疑いの患者さんを受け入れられない病院が多い。
参考: