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江川英龍ゆかりの地を訪ねて
江川家は、大和源氏の系統で鎌倉時代以来の歴史を誇る家柄です。第36代目当主・江川英龍(1801-55)は、1835年父英毅の死去により伊豆韮山代官として天領の民政に従事します。
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代官の身分は、勘定奉行の支配下に置かれた旗本です。年貢の徴収・司法検察等の多忙な業務を限られた手付・手代が補佐し、1836年天保騒動では武蔵・相模への波及を警戒しました。
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また、小田原の二宮尊徳を招聘して積極的な農地の改良・倹約を実施します。 一方で、殖産の為に貸付・飢饉の際の施しも行い、領民の信頼を得て「世直し江川大明神」と呼ばれました。
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チャレンジ精神も旺盛で、日本で初めてパンを作った人物です。1842年パンを膨らませる酵母の代わりに日本酒醸造時の酒種を利用し石窯と鉄鍋を使用して兵糧用の乾パンを焼きます。
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この頃、日本近海に外国船が頻繁に訪れます。英龍は長崎に赴いて高島秋帆に弟子入りして、近代砲術を学び西洋砲術の普及に努め「韮山塾」を開き全国から集まる藩士に教育します。
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そして遂に、1853年ペリー艦隊が来航して幕府に開国要求を迫ります。老中首座・阿部正弘は、江戸の直接防衛のために海防の建議書を提出した江川英龍を勘定吟味役格に登用します。
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英龍は、品川沖に11-12基の台場を一定の間隔で築造する計画を立てます。ペリーの再来航に備え工事は急ピッチで進められ、約8ヶ月で砲台の一部は完成して、品川台場と呼ばれます。
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埋立て用の土は、高輪の八ツ山・御殿山などを切り崩して調達しました。2度目に来航したペリー艦隊は、品川沖まで来て台場を警戒して引き返し、横浜に上陸する事になったようです。
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次に、武器製造に必要な鉄鋼を得るため反射炉の築造が開始されたます。しかし、1951年1月16日英龍は、あまりの激務に体調を崩して本所の江戸屋敷でお亡くなりになられます。
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…江川英龍は、領民思いの名代官・日本の近代化の礎を築いた人物でした。現在でも地元伊豆の国市では、『パン租のパン祭り』が例年開催され、韮山反射炉に多くの方が訪れています。
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