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咲くやこの花館という楽園

何年も前に行ったことはあるのだが、その当時は写真撮影が主な目的で、「植物をみる」ということに関して今ほど強い興味はなかった。
もっと正しく言うならば、植物自体はその当時も好きだったが、温室で見られるような植物への関心は今より低かったのだ。

しかし、京都府立植物園へ通うようになってからというもの、植物への興味は深まり、温室の植物も楽しめるようになった。
いま行かないでいつ行くのだ。

ということで、思い立ったが吉日で花博記念公園鶴見緑地へ。

花博記念公園 鶴見緑地 の文字
公園全体の案内図

かなり広い公園(当たり前)。咲くやこの花館はどこかな。

案内図を確認 いざ参らん

到着するなり、きれいに植栽されたワシントンヤシモドキがお出迎え。

ワシントンヤシモドキ達 背が高い
ワシントンヤシモドキの上のほう
ネットで何らかの保護がされている
「カラスがつつくなどにより
上からヤシの葉が落ちてくることがあります」の注意書き
あの高さから落ちてきたら痛そう
入館料は500円

入ってすぐにクイズラリーが用意されていた。
せっかくなのでこれもやってみる。

クイズラリーの用紙
難易度が選べるようになっている

順路の入り口すぐ、最初は熱帯雨林室。

見頃の植物のポイントを示す看板

今見頃の植物をこうしてわかりやすくしてくれるのはありがたい。
こういうの大好物です。

フィロデンドロンなどの葉っぱを持って撮影していいよ の看板
ト○ロ的な概念を感じるイラストがある
フィロデンドロンなどの葉っぱを持って撮影していいよ の看板

サトイモ科の大きい葉っぱは、トト○的なあれをやってみたい感じは確かにあるよなぁ…と常々思っていたけれど、こうして用意されているところがあるとは思わなかった。お子さんが楽しめそうでいいな。

オンシジウム・ケイロフォルムという小さな蘭
オンシジウム・ケイロフォルム

お菓子のような甘い芳香がするランの原種。
チョコレートのような香りがする園芸品種のオンシジウムを京都府立植物園で見たばかりだったので、親になった種はこういう種類なのかな…と思いながら楽しんだ。

フィロデンドロン・ギガンテウム、シマオオタニワタリ、ガジュマル…等々がもさっと合わさった様子
フィロデンドロン・ギガンテウム、シマオオタニワタリ、
ガジュマル…等々がもさっと合わさった様子

色々な植物が絡み合っている様子は言葉にできない良さがある。
植物達がそれぞれ干渉しあって暮らしていることを、ほのかに感じられる展示はありがたい。

ガジュマルの樹に着生した形で展示されているバンダ達
ガジュマルの樹に着生した形で展示されているバンダ達

バンダをこういう雰囲気で見せてくれるのも良いな。
自生地ではどんなふうなのかな…という想像の懸け橋になる。

ロータスガーデンには食虫植物も少しあった。

食虫植物の花の蕾
蕾の様子

少し進むとアリ植物がいくつか展示されていた。

アリ植物のミルメコディア 迷路のような空洞がある
アリ植物のミルメコディア
アリ植物の説明
説明もわかりやすくてやさしい

外のエリアもあるようなので見てみる。

ジュラシックツリー
ジュラシックツリー
ジュラシックツリーの球果
ジュラシックツリーの球果かな?

ジュラシックツリーは府立植物園でも行くたびに前を通りすがる。
ここでも見られるのは嬉しいな。

カミヤツデの花
カミヤツデの花

カミヤツデ!! 咲いている!!
京都府立植物園で「これが咲くのかな…」と想いながら眺めていたものがあったけれど、咲く前に寒さか何かでしおれてしまったのでここで見られたのはなんとも嬉しい。テンション爆上がりである。

こうした感じでホクホクしながら撮り歩き、もしかしてもう1時間ぐらい経っているか…? と腕時計をみると、時刻は11時33分。

私がいるのは……ココ……

現在地を示している図
現在地を示している図

まだこれだけしか進んでいないのに1時間。
なるほど…これは時間がかかりそう……

お昼はレストランで食べることをなんとなく想定していたけれど、このペースではどう考えても、レストランはあまりにも遠い。
うーん…お昼はどうしよう…最悪お昼抜きか…? と、空腹を感じつつあるお腹を抱えながらさらに30分ほど撮りながら進んでいると、目の前に現れたのはワールドトラベルカフェというお店。

温室の中の通路沿いにあるワールドトラベルカフェ
温室の中の通路沿いにある
フードメニュー
フードメニュー
ドリンクメニュー
ドリンクメニュー
ドリンクメニュー
種類が豊富で目移りする
ホームメイド・パニーニとドラゴンフルーツ&トロピカルフルーツのスムージー
食べたもの
ホームメイド・パニーニと
ドラゴンフルーツ&トロピカルフルーツのスムージー

通路沿いのベンチに座ってのんびり食事をいただいた。
すぐそばにはタビビトノキもあって、温室の空間の中で食べるお昼はとにかく最高だった。とても良い雰囲気。

ビビトノキ
ベンチのすぐ後ろに生えるタビビトノキ

しっかりお腹を満たしてから再度出発。
ハイビスカスだけを集めた温室ものぞいてみた。

ハイビスカスワールド と名付けられた温室
ハイビスカスワールド と名付けられた温室
中には誰も居なかった
ヒビスクス・インスラリス
ヒビスクス・インスラリス
人間が家畜として持ち込んだ動物のせいで
自生地の一つを失っているそう
ヒビスクス 花恋
栽培品種のヒビスクス 花恋
ヒビスクス ホワイトエレガンス
栽培品種のヒビスクス ホワイトエレガンス (開きかけ)
栽培品種のヒビスクス アーチェリー
栽培品種のヒビスクス アーチェリー
親は Hibiscus schizopetalus とかかな?

メインの温室に戻って、こちらはトックリキワタ。

トックリキワタの花 花はピンク色
トックリキワタの花
ックリキワタの果実の殻が割れた後に見える繊維
トックリキワタの果実の殻が割れた後に見える繊維

ふわふわしていて良いな…触れるものなら触ってみたい…という望みをかなえてくれるものもご用意されていた。気遣いが行き届いている。

トックリキワタの繊維を触れられるように設置されているボックス
トックリキワタの繊維の部分を触れる展示
トックリキワタの繊維に触れている様子
これはやさしいモフモフ……

トックリキワタの仲間の植物を、その幹が太くなったイメージからスペイン語圏では「パロボラッチョ(酔っ払いの木)」と呼ぶそう。
そのパロボラッチョが次の写真。

パロボラッチョ 幹が太い
パロボラッチョ
幹の部分がふとっちょ

このパロボラッチョは咲くやこの花館のシンボルツリー的なものらしく、売店でこの木のグッズが沢山展開されていた。

チランジアが沢山ぶら下がっている様子
次のエリアへ行く通路上にチランジアも沢山

やっと乾燥地帯へ入った。

キソウテンガイ 1990年 花博開催当時の姿の写真
キソウテンガイ
花博の頃の写真 可愛いサイズ感なのがわかる
咲くやこの花館のキソウテンガイ 現在の姿 葉がとても伸びている
そして現在のキソウテンガイ
葉っぱがのびのびしていていいね!
乾燥地植物室の様子
小さいサボテンが充実している
勿論ちゃんとハオルチアとかもある これは寿(コトブキ)
乾燥地植物室の外のデザートガーデン
外にもいろいろ植栽されている

乾燥地植物室を抜けて、高山植物室へ。

コマクサ
ウサギゴケという食虫植物
コケではない
バイカオウレン

咲いている花の状態もよく、バックヤードがしっかりしているのだろうな…と感じたりした。
ここの目玉はメコノプシスなのだろうか。いくつか植栽されていた。

ヒマラヤなどに咲く青いケシ
メコノプシス・ホリドゥラ
栽培品種のメコノプシスシェルドニー
水色が美しい花だった

午前中と同じペースで歩いていたらきっと閉館までかかりそうだな…と思い、後半は少しペースを速めて回った。

順路をすべて抜けた先にある吹き抜けのホールは整備中で入れなかった。

フラワーホール 2階から見た様子
1階からみたフラワーホール

このホールもただの休憩スペースに見えるが、その壁沿いには色々植栽されている…侮れない。

あとは温室の仕組みのこととか、

温室の設備の説明

ホテイアオイが淡水域で脅威になっているというお話なども。

ホテイアオイで作った製品を紹介している

環境の問題は切り離せないものだから、こういうものをきちんと置いているところも、個人的には「スキ」ポイント。

そして辿り着いたレストラン。
今回は途中で食事をとったので利用しないけれどメニューを少し見てみる。

レストランの入り口
パロボラッチョカレー なるものがあるらしい
パロボラッチョの部分はカツかな

順路の最後まで行くとこういうものも見つけた。

咲くやコール と書かれている
気になる花が開花したらお知らせしてくれるサービスらしい
気が利いている……
サービスカウンター近くにあった
食虫植物の赤ちゃんを観察してみよう という展示

うーん……! 満足!!

本当は、咲くやこの花館の後に鶴見緑地の園内も少し見て回りたかったのだが、温室だけでかなりお腹いっぱいになってしまった。

それに今回は訪れたタイミングがちょうど工事中だったから、そもそも行きたいなと思っていたところも閉鎖されていたのだけど……

緑地内の半分ぐらいが閉鎖中になっている

外に出て少しだけ散策したら、「やっぱり閉鎖されているところも絶対に行かなきゃな」という気持ちにさせられる景色を見てしまった。

池の向こうにみえるあのエリアが気になる……

工事が終わって暖かくなった頃にまた改めて来たい。