ゴキブリとふれあった話
タイトルがそのままなので「名前をみるだけでもイヤ!」という人はきっとこれを読むことはないと考えて、特に注意書きはしないことにする。
……と思ったが、このあと写真も載せることは一応先にふれておく。
『いきもにあ2024』というイベントでゴキブリとふれあったのだが、初めて出会い直接ふれあった彼らはとんでもなく可愛くて、SNSにそれを投稿するだけでは物足りず、もう少し長文で感想を残しておきたかった。
このイベントでゴキブリとふれあえることは書店で入手したリーフレットを見て知っていたが、当初はあまり期待していなかった。
チラシには、ヒメマルゴキブリというダンゴムシのように丸くなるゴキブリの写真があり、それをちょっと指先で撫でられるぐらいかな…とか、その程度でイメージしていたのだ。
しかしイベントでいざふれあいコーナーへ向かってみると、そこには何種類かのゴキブリの展示と、ふれあえるゴキブリも数種用意されていた。
私がふれあったのは
・ヨロイモグラゴキブリ
・ニジイロゴキブリ
・グロウスポットローチ
・オオゴキブリ
の4種だ。
個人的に特に良かったのはヨロイモグラゴキブリとオオゴキブリ。
ヨロイモグラゴキブリはとにかくとんでもなく可愛かった。
全然ゴキブリらしくないし、ケースの木くずの中にもぞもぞと潜っていこうとする様子はカブトムシなどの可愛さと同じ。大きさもしっかりあるので、まるで小動物だ。
彼らは普段は土を掘り、巣穴の中で暮らしているので、縦や斜めになった場所にしがみつくようなことはできない。手の上を動き回る間は、前方にもう片方の手を回してやりながらふれあった。
イベントへは一人で行ったので写真は片手で急いで撮った。
おなかはカブトムシのような感触。背中はすべすべしていた。
脚の先はモグラのように土を掘るのに適した形でガッシリしており、手のひらを掘られるような感覚もある。とにかく「可愛い」の一言に尽きる愛らしさだった。
イベントの2日間ともふれあいコーナーに訪れて愛でさせていただいた。
オオゴキブリは日本の森に棲んでいる子だ。
もぞもぞ、のっそりした動き方は小さいヨロイモグラゴキブリという感じだが、こちらは手にしっかりしがみついてくれる。
これがまためちゃくちゃ可愛かった。
手の上をのそのそとゆっくり歩くのだが、そろそろゴキブリが疲れてしまうかな…と、ケースに戻そうとして手を傾けると、脚でぎゅっと手のひらや指を掴んで縮こまって静止する。
「えっ……なにこの可愛さ……!!!」と、心を鷲掴みにされた。
今まで生きてきてこんなにも心の中で「ゴキブリかわいいかよ」を連呼した日はなかった。
ヨロイモグラゴキブリはオーストラリアに棲んでいるし、オオゴキブリは森などに探しに行かなければ出会えない。
他のゴキブリも勿論、普段はふれあうことなどできない種類達だ。
動きや姿の愛らしさは勿論のこと、この機会に顔をじっくり見られたこともあり、初めてかわいいと思えた。
ありがとうゴキブリ達。