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現在なう日記 057 壁の向こう?

壁は壊さないといけないんですか?

そう聞く私に教授は「壊さないと面白くないでしょ?」と言った。…先生の講義の名前が思い出せない。社会学部の専門科目だったのでなんとか社会学だったとは思う。文化社会学かな…あーつい最近までちゃんと覚えてたのに。老化つらい。

壁というのはたとえば社会システムのような、世の中の仕組みのことを指していたはずで、それについて前の週に何かの文学作品をベースに講義があった筈だ。廊下で先生と会話したのは覚えてるのに、肝心のその作品の名前だって思い出せやしない。村上春樹の「風の歌を聞け」だったかな。いや違ったかな。「めぞん一刻」のコマ割りについても先生が熱く語っていたのも覚えてるのに。いやコマ割りの話は別の授業だったかも…ああもう。

さて、なんで壁の話を思い出したんだっけ。昔のことも今のことも思い出せなくて笑うしかない。何年かに一度はこの壁の話を思い出す。そしてそのたび結局壁を壊すことのない自分に半分がっかりして半分当然だよなと言う気持ちになる。これこそが現代人の正しい態度でしょ!と。

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