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「屋根の上のヴァイオリン弾き」

実咲凜音さん(みりおん)の退団後初のミュージカルだったから、ちょっと気になってたんですけど、チケットは取らず。ですが、ご縁があってお誘いいただき観劇!
ありがとうございました。

日本で上演されて、今年で50年だそうで。すごい歴史ですね。
主人公のテヴィエは、初代が森繁久彌さんという…。すごい。今は市村正親さんです。そりゃあもー、ミュージカルスター感がある俳優さんでした…。よくテレビで見かけるけど、こんな感じだとは思わなかったなぁ。やっぱり歌上手いし、ユーモアがあってあったかい演技でした。めっちゃ笑わしてくる。アドリブもめっちゃかます。さすがだ〜。5人の娘のお父さん役なわけだけど、そのうちの上3人が結婚して旅立っていくんですね。送り出すときの愛情あふれる瞳がすごかった。
パンフに、みりおんとさやかちゃんとふうかちゃんのトークが載ってたのですが、やっぱり、市村さんの包容力がすごいって話していました。

母ゴールデ役は鳳蘭さん。
なんか、こう、、デカい。強そう。実際若干鬼嫁っぽくて強い。肝っ玉母ちゃん。でも、家族を愛してるのがめっちゃ伝わるのです。歌も迫力があって。夫婦で愛を歌うシーンは、クスッと笑わせながらもジーンとくる掛け合いでした。鳳さんも市村さんも顔が濃ゆいから、外国のお話というのも違和感もなかったですね。

長女ツァイテル役はみりおん。
実は、宙組トップ娘のときは「王家に捧ぐ歌」を観ただけ。ひっさしぶりにみりおんの演技や歌唱を観ましたけど、やっぱり娘役オーラというか、上品なんだわ。娘3人で踊るシーンがあったけど、みりおんがいちばん優雅だった。ヅカオタの贔屓目じゃないはず。
いや、でもまあ〜そりゃあバレエの叩き込まれかたが違うだろうな〜とか思ったけど、さやかちゃんとふうかちゃんも頑張ってるだろうしね、ヅカ贔屓してすみません。役どころとしては、一番最初に結婚が決まって家を出ていくんですが、相手も村の人だし(入野自由さん)、結婚後いちばん関係がいい夫婦のような気が。みゆくんとの掛け合いも可愛いし。ヘタレのみゆくんと可愛くてしっかり者のみりおんグッドでした。

次女ホーデル役はさやかちゃん。ホールデは、古いしきたりにとらわれない革新的で賢い子。さやかちゃんって癖のある歌い方だけど、歌上手いよですね〜。姿も可憐だし、強気な娘さん役が似合ってました。
結婚相手も、村の人じゃない学生さん。この頃のロシア?ウクライナ?の歴史がいまいちわからないけど、色々と革命を起こそうとしてた社会主義者の若者のようで。いろいろあったのち、シベリアで逮捕された彼を迎えに、一人でシベリアに向かうホーデルをテヴィエが送り出すシーンは、ちょっと泣きそうになりました。

そんなホールデの相手の若者は広瀬くん。まあーかっこよかったです。相変わらず顔が良い。脚が長い。歌はよくわからんけど、がっかりするほどじゃなかった気がします。とにかく、さやかちゃんとの身長差がすごく良くて。腕の中にすっぽりって感じ。かわいかったです。

三女のチャバは唯月ふうかちゃん。初めて生でお目にかかるので、それまではデスノのミサやってる元ピーターパンっていうイメージでした。しかも歌上手いという噂だったので楽しみにしてましたが、噂通り歌上手い! 若くて高めの声がいい感じ。今作では迫力のある歌がなかったから、今度は迫力のある歌も聴きたいな〜。チャバの結婚がいちばん辛くて、、ロシア人との駆け落ち。相手のロシア人も歌上手いしいいやつなんだけど、時代のせいかしきたりのせいか、優しいテヴィエでも、ユダヤ人とロシア人の結婚はどうしても許されなくて…。切なかったなぁ、。亡命先で幸せになってほしい…。

キャラそれぞれについて語るとなんか切なそうだけど、基本的に歌って踊って貧しいけど愛がある!家族でハッピーって感じ。ラストもなんとなく希望がある終わり方で、じーんとしながら席を立ちました。

2017年12月17日 日生劇場にて(2021年加筆修正)