「普通」ではなくなったポケモンカード
ポケカがやばい。
そんな言葉を最近あちこちで聞くようになった。
実際、今の状況に至るまでにいくつか兆候はあったはずだが、ここまで来るとは予想できなかっただろうというのが大筋の意見だ。
界隈がおかしくなったのは昨年のロストアビスからだ。
ギラティナのSAにとんでもない値段がついた。そして今も下がっていない。
次に白熱のアルカナ辺りで予約が難しくなってきた。まあそれでも買えたのだが、当日買うのも難しくなった。
その次に、パラダイムトリガーで弾けた。
ルギアのSAが10万まで行ったのは未だに事件だと思ってる。
このあたりから中華系の参入が著しくなった印象が強い。
コロナによりトレカの需要が高まったり、使わなくなった資金の繰り先としてトレカが選ばれたというのは想像に難くない。
そしてVSTARユニバース。
ヨドバシの予約で一悶着あったが、まだそれでも買えた印象が強い。
また、株ポケもハイクラスパックに関しては増産に力を入れているのが見て取れる。
まあ、その分品質がトレードオフになっているのはなんとも言えないところだが。
そしてスカーレット、バイオレット。
ミモザSARの大高騰である。
正直、なぜミモザSARがあそこまで高いのか、今でも理解出来ない。
キハダSARがズルズル値段を下げる中で、6桁キープしているのは結構謎である。個人的にはキハダSARの方が好みだ。
そしてトリプレットビート。
このあたりから「何かがおかしい」という空気感が現実味を持って襲いかかってくる。
前回と同じくらいのタイミングで行った店に、すでに前回の数倍の人間が並んでいるという異常さ。
そしてその光景は危機感となって、連綿と伝播した。
「コレはヤバイ」
まだ何とかなるかもしれない。
そんな甘い期待は、ポケモンセンターオンラインでの落選メールで打ち砕かれる。
追い打ちをかけるように届く、Livepocketからの落選通知。
未だ、当日に買えるボックスは0と1とをシーソーする。
羨望と期待の眼差しがヨドバシカメラへと向けられる。
彼の者からの答えは、未だ、無い。
そもそも日本は資本主義国家だ。
テンバイヤーを撲滅させるのは現実的ではない。
需要と供給のバランスが崩れれば、例え利鞘が少なかろうと、元手が大きかろうと、普通に湧いて出る。
PS5やマスクまで転売していたのだ。
絶滅させるのは、(現実にかかるコストを無視しない限り)不可能だ。
悪者は誰だ。
株ポケが印刷量を増やせばいいのか。
ただし、TCGの印刷量は、他のメーカーとの兼ね合いもある。
闇雲に増やせる訳では無い。
それに増やしたところでこのブームがいつまで続くか未知数だ。
加熱しすぎたブームは、大規模な人離れでたやすく崩壊する。
加えて量を増やすということは、質を落とすということとイコールだ。
両立することは現状では困難だ。
印刷料は増やせない。
テンバイヤーは減らせない。
人の熱は上がる一方で、急速に冷めて離れる人間もいる。
ポケカは普通ではなくなった。
その様は、まさに興奮の坩堝だ。
このままどこに吐き出されるのか、今は誰も知らない。
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