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認めたくないから見えない

 人を責めたり、文句を言いたくなったとき、ぜひ、知っていてほしいのは、「同じ性質を持っているから、互いに引き寄せ合いご縁ができる」という真理です。
 
 先日、喫茶店で近くに座っていた男性が(たぶん仕事関係の)相手と携帯電話で言い争いをしているのが聞こえてきました。その会話で一際声高く耳に飛び込んできたのが「その言葉、そっくりおまえに返してやる」というフレーズ。皆さんにも、これと同主旨の、例えば「それを、あなたには言われたくない」とか「おまえのほうこそ○○じゃないか!」と言い返した経験があると思います。

 家族とか同僚とか、よく顔を合わせる人に「批難したい要素」を見つけたときは、それと同じ性質が自分にもあるのでは?と自問してみることが大切です。

 相談に来られた方に「あなたが不満に思っている(相手の)性格は、あなた自身も持っているから、腹が立つのですよ」と助言しても、素直に受け入れられる人は少数で、大半が「そんなことはない。あの人のように私は自分勝手じゃない」とか「冷たい人じゃない」とか「ずるい人じゃない」というふうに自己弁護します。

 ここで、理解していただきたいのは「他人は鏡」ということ。鏡は、あなたが見ることができない、または見えにくい個所を見るために使います。あなたと近しい人たちは、鏡となって、あなたの「見えていない性質」を映し出し、あなたに気づかせてくれている、というわけです。

 なぜ「見えてない」のか。それは、あなたが「見たくない」からなのですね。
 
 人を批判したくなったときは「自分も同様の性質を持っていて、ただ、それを認めたくないから、心の奥底に沈めて見えなくしているのかも?」と自分を客観的に眺めることをお勧めします。すると、穏やかでいられるし、感じ方や人との接し方も変わってきます。 

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