許可を与えたものしか起きない
先日、お父さんを亡くされた方から、こんな話を聞きしました。彼のお父さんは、2カ月ほど前に入院。その期間、彼の気持ちが徐々に変化したそうです。入院した当初は「もっと長生きして。今、死なれては困る」だったのが、やがて「もう次の世界に行かせてあげよう。この状態で生きているよりも(生まれ変わって)新天地で活躍してください」というふうに変わっていきました。
「もう逝ってもいいですよ。お疲れさま」と父の死に彼が心の中で許可を出して、それから数日後、お父さんは旅立ったそうです。
彼はこう言います。「父の死は、最もあってほしくないことで、その後の数カ月は、辛い現実が待っていました。けれど、『父もいい時期に逝ったなぁ。(死ぬのは)あのときしかなかったなぁ』と穏やかに振りかえることができるようになるまでに要した期間は、わずか1年でしたよ」。
最悪の事態と思えることも、心の奥深いところに「それも体験したい自分」がいて、納得のうえ経験しているのかも。そして、すべての変化は、幸せに気づく感性をより高めるために起きている、と考えたらどうでしょう。
「あなたに起きたことは、あなたなら乗り越えられるから起きてきた」なんて人から言われると、力みが入って拒絶したくもなるけれど、「心の奥深いところで受け容れた現象しか起きてこない」と自分に言い聞かせていると、人生最大のピンチも、案外すんなりとやり過ごせる気がします。
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