煩悩があるのが自然
「自分を磨いて、美しい心に」なんて説く方もいらっしゃいますが、人に模範とされるような「きれいで立派な心」を目指していると、他人や自分の至らなさが目について、他人を見下したり、自分を責めたりしがちです。さらに、そういう自分が許せなくなって、ストレスになる。
どなたの心の中にも、優しさ、親切心、思いやりといった天使のような面がありますが、一方で、嫉妬や憎しみ、怒り、苛立ち、傲慢さ、不誠実といった「なくしなさい」と教えられてきた感情もあります。
こうした、いわゆる煩悩も、あったほうが自然であり、人生の妙味でもあります。取り除こうとすると、かえって執着になる。どんな感情も、しみじみ味わうために湧いてくるのです。