安心はよくて、不安はダメ?
「生き方」を説く本に「心配いらないよ」とか「自信を持って」という類の言葉がよく出てきます。
そう言われて、少しは前向きな気持ちにもなれますが、「ハイわかりました。これから心配せずに自信を持って生きていきます」と即答できる人なら、うじうじ悩んだり、人に相談を持ちかけたりはしないと思うのですが…。
新しいことを始めたり、うまくいくかどうか五分五分のことに挑戦するときは、誰しも不安なもの。
そんなときは、「不安を安心に変えよう」なんて思わずに、不安を抱えたまま着手すればいい。
例えばスポーツの試合で、勝敗の分かれ目となる、ここぞ!という場面に、コーチは選手に「リラックスして、肩の力を抜いて」というアドバイスをよくします。力を抜こうとすればするほど、「リラックスしなきゃ」という想いがプレッシャーになって、かえって力んでしまう。むしろ「その緊張感のままでプレーしたらいい」と言われるほうが、平常の力を発揮できたりして。
「安心したい」という気持ち、それもわかりますが、「安心がよくて、不安はダメ」という価値観、ここらで一度見直しませんか。
ハラハラ・ドキドキしてこそ人生!なんです。自信のあること、経験済みのことばかりやっていては、つまらないじゃないですか。