もう一人の自分を意識する

　皆さんは、自身の「運命を信頼」しているでしょうか？
　運命を信頼するとは、次のことを心の底（潜在意識）から思えることではないでしょうか。
　「この世って、辛いことも悲しいことも腹立たしいこともたまにはあるけれど、基本的には楽しいところだ。嫌なことも困難なことも、若干は起きてくるけれどなんとかなる。これらも『天のはからい』。結局はうまくいくようになっている」。

　こうした信頼感、言い換えれば「人生に対する肯定感」があるのとないのとでは、道行きが随分変わってきます。そして大事なのは｢心底思えるかどうか」です。表面的にプラス思考してごまかすのではなく、潜在意識の部分でも「大丈夫」と思えているかどうか。

　宇宙の法則に「思考は現実化する」｢投げかけたものが返ってくる」というのがありますが、これは潜在意識で思っていることが、後の人生に反映されるということです。

　では、運命に対する信頼感、肯定感を高めていくには、どうすればいいのか。換言すれば、不運に見舞われたとき、ジタバタしないためには、どうすればいいのか。そのヒントが、天外司朗氏の著書「経営者の運力」（講談社）に記されていましたので、要約してご紹介しましょう。（文中の「波のボトム」という表現は「不運のどん底」と理解すればいい思います）。
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・波のボトムでジタバタしないようになりたかったら、まずはしっかり心の底からジタバタする以外に道はない。そのときに、ジタバタしている自分を否定しないのがコツ。みっともなくジタバタしている自分を「いいんだよ」と許し、温かく抱擁してあげる。

・ジタバタしている生身の自分とは別に「もうひとりの自分」……生身の自分を許したり、温かく抱擁したりする自分を意識するのがコツ。すぐにはできないが、何度も何度も繰り返しているうちに、その「冷静に観察している自分」が、だんだんしっかりした存在になってくる。そうすれば、あまりジタバタしなくなる。

・表面的な自分は、いくらジタバタして、もがき苦しんで、わめき散らしてもいい。「ジタバタしないもうひとりの自分」が確立できて、（生身の）自分を冷静に、客観的に、中立的に眺めることができればオッケー。
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　「観察している自分」が本当の自分ですね。ぜひ一読をお勧めします。