新庄さんの答えは一言
かなり古い話になりますが、日本ハム監督、BIGBOSSこと新庄剛志さんのエピソードをご紹介しましょう。
---1998年に阪神の監督に就任した知将・野村監督は首を傾げた。
新庄は、守備と肩と足は一級品。
あの足がありながら、前年の盗塁の記録は、わずか1つ。どうしてだ???。
新庄の答えは一言。「盗塁には、興味がないんです」。
野村監督の頭には、「選手はチームのために存在する。目標はチームの優勝」という概念しかなかったのでしょう。そんななかで、新庄は「チームプレーには興味がない」とまで言い切るのです。---
新庄氏の生き方を見ていると、次の言葉を思い出します。
「中途半端に他人のことを考えるよりも、徹底して自分のことだけを考えるエゴイストになるほうが、最終的には他人の役に立つのです」(「人をめぐる冒険」高木悠鼓著より)。
2004年に大リーグから帰国し、「野球はエンタテイメント」とばかりに、バカバカしい?パフォーマンスで、札幌ドームでの開幕戦を超満員にしてしまう。
自分の興味のあることしかやらない、チームプレーにも関心のない選手が、結果的に、所属球団を優勝させ、日本のプロ野球を盛り上げ、救うことになるとは、皮肉なものですね。
興味・関心というものは、何となく湧いてきます。
確固とした根拠や合理的な理由もないのに湧いてくるということは、「それを、やったらいいよ!」という天からの啓示ではないでしょうか。
もう一つ、「新庄のコトバ」(講談社)から、目からウロコの新庄語をご紹介。
---大リーグにいたときの話。
SFジャイアンツのダスティーベイカー監督から、トップバッターとしての使命や課題を与えられたとき、新庄が連発していたのが、「野球は、人生のヒマつぶし」という持論でした。
この発言に対し、雑誌のインタビューで「なめとんか!、職業だろ!」と突っ込まれると、新庄はすかさず、こう答えます。「そう思っちゃダメ!職業と思っちゃ『やらされ』に変わるから」。---
どうでしょう。主たる収入源である仕事を「ヒマつぶし」って思えますか?
同じ野球をやっていても、(なにをやるにしてもそうですが)自らの意志でやるときは楽しく、人からやらされるときは、つまらなく感じるのですね。