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本当に15歳とやってしまうロリコンを牢屋にぶち込む立法趣旨ど真ん中の記事が弁護士ドットコムに掲載され物議を醸す

 俺たちの弁護士ドットコムが、新鮮な素材で正面からもやしに来たと聞いて閲覧しにいきましたが、さっそく某所で黒煙が上がっております。

 記事が消えると国民の資産が失われかねないので魚拓を置いておきます。pdfでも保存しておきました。ありがとうございました。

 何だかよく分からない趣旨でも子どもとセックスしたらど真ん中で牢獄にぶち込めてしまう割と雑な刑法改正が通ってしまい、これはこれで大変な論争となった案件でしたが、このような記事が出てしまうと伊藤和子先生の問題意識や取り組みもひょっとして非常に正しかったのではないかという気持ちになってしまいますから、世の中は不思議なものです。

 いわずもがなですが、敢えて申し上げるならば先般の法制審議会の刑事法(性犯罪関係)部会において、金杉美和師匠から「むなしさを感じざるを得ません」とか宮田桂子師匠から「15歳で世の中に出た男の子が、女性とそういう(セックス)行為をしたいとせがんで性交したときに、まあいいよと言った相手(女性)が罰せられる、それでいいんですか」などの貴重なお言葉がバンバン飛び出したのも記憶に新しいところです。

 なにぶん刑法ですから、頃合いや世論を見ながらビシバシ改正できるものでもありませんので、当面はこれで行くのかもしれませんけれども… なぜこの内容で刑法改正を強行したのかは岸田文雄政権永遠の謎、秘密の花園であるとも言えます。

https://www.moj.go.jp/content/001392958.pdf

 数ある審議会の議事録においても出色の面白さではある一方、性犯罪の主役でもあるロリコンの問題を撃滅せしめ性被害を減らすために刑法改正させるにあたり、いい歳になって普通にちんぽこの勃つ15歳ぐらいの男の子の性欲も一緒くたに巻き込まれることを考えるにやはり問題は感じます。

 さらには、精神科医のワイルドな発言まで飛び出していて、こりゃすげえぞと思うわけであります。

性障害専門医療センター「SOMEC」代表理事で、再犯防止のため性障害治療にとりくむ精神科医の福井裕輝さん

時効延長されると冤罪が増えるおそれがあるとしても、性犯罪に限らずどんな罪でも罰則規定は何らかの抑止力になるために作られています。それに付随して冤罪も生まれるでしょうけど、それよりも作るメリットが大きいと想定されている。だから問題だとは思いません

https://www.bengo4.com/c_1009/n_16190/

 いや、例えば各種ワクチンは確かに薬害がごく低率の一定の割合出て接種後に体調不良を起こしたり場合によっては亡くなったりという可能性はあるが、感染症に対して社会全体の免疫を獲得するために一部の接種リスクを飲んで全体のメリットを取るという話はありますよ。

 ただ、法律においては「冤罪は増えるだろけど時効ガツンと伸ばして不充分な証拠でも性犯罪の訴え出があったらビシバシ取り締まって牢屋にぶち込もうぜ」ってのは割と高めのボールじゃないかと思うんですよね。

 極論を言うならば、女性が「そういえば昔、少女時代にあいつとセックスしたわ」と思い立てば、特段の証拠が乏しくても特定の男性を時間差でやっぱりちゃんとした「同意はしてなかったわ」として引っ張れてしまうという、はあちゅう(伊藤春香)電通#Metoo事案のようなネタすら横行させられます。大変なことです。

 そういうデリケートな状況において、弁護士ドットコムが投げ込んだ戦術核みたいな40歳ロリコンの記事を読むと、いろんなものが胸を去来するわけですよ。こういうクズだけをうまく牢屋にぶち込んで去勢できないかって思う人がきっと増えるんじゃないのかなあという点で。「性の商品化」とか「時効延長で増える証拠なき冤罪」などの文脈をはるかに超越して、ホテルで出会った間は15歳少女と真剣交際してたから純情無罪とかいうやつ。

「女の子から誘われても断るのが正しいけど、機会を逃せば、他の男に行ってしまうかもしれない。付き合いたいし、セックスしたいとなると、断れなかった。真面目ぶって嫌われたくなかった」
「15歳といっても、お母さん的な性格の子だし、僕よりも精神的に大人。年齢差があっても支配的な感じではない」として、「対等な付き合い」を強調する。

https://www.bengo4.com/c_1009/n_16190/

 こんなものが通っていいのか、ただの性癖はともかく実際に性交してしまうロリコンはどうにかしろと思いつつ、そういう性犯罪への対処のために冤罪増えてもええやんけビシバシいったれやという別のベクトルのアレがおり、クソ真面目に少年少女の性について議論を積み上げてきた人たちからもダース単位で匙を投げられてしまう審議会があり、そしてどこからの圧力かそういう経緯を軽やかに無視して刑法改正でドーンと進めた自公政権という、全体的に非常にカロリーの高い案件に仕上がっているように思うんですけれども。

 で、これたぶん着地点というか、こういうのでお願いしますという最適解やらコンセンサスって得られないタイプの話だと思うんですよ。もちろん、少年少女の望まない性行為・性被害に対して社会全体で抑止に取り組むべきというのは総論として私も賛成だけれども、「ではどうやって」とか「その問題への対処としては構いませんが、副作用も大きいですね」などの話は往々にして出ます。

 性犯罪経験者にGPSをつける? こども家庭庁が言うように「不適切」な行為履歴のある人物を教職に入れないようにする? 海外のように化学的処置で去勢する? これってもう、法制審議会がいままでさんざん議論してきて、何をどう詰めるのか弁護士も含めて相当煮詰めてきて、なおまだ決着は遠いのかなと思っていたことだったんですけどねえ…。

 画像はAIが考えた『40歳ロリコン事件をネタに、いかれた性犯罪者の主張といかれた急進的性犯罪処罰の主張とを両極に並べて核融合を引き起こし巨大爆発を起こそうとする弁護士ドットコム』です。


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山本一郎(やまもといちろう)
神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント