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AMラジオ34局放送休止と潰れる老舗料理店

 これもう16年以降「残す方針でいくなら基金でも作って電波塔などインフラは共通で整備しないと間に合わないですよね」ってずっと話していたまま7年が経過し「やっぱり駄目でした」で一気に無くなる方向という意味ではそりゃそうですよねって話だろうと思うんですよ。

 と言っても民放連ほか私どもでほんのり関わりがあったのは19年まででしたから、5年間ほとんど議論としての進展はないまま死ぬべき時期がやってきたということなのでしょうか。

 AMラジオそのものに思い入れのある人もいて、個人的には「それはあなたが好きなAMラジオの話であって、AMラジオ局という事業全体の話ではないですよね」みたいなことを申し上げ怒られた記憶も蘇ります。やだやだ。

 どうせこういうことになるなら、もう少し前倒しで結論を出してあげさえすれば、こんなに赤字を垂れ流してみんな悲しい思いをすることなく最後に思い出パーティーでも地元のホテルでやってパッと清算できたところもあるんじゃないかとさえ思います。

 結局、惜しまれつつ閉店する老舗料理屋なんですよ。子どもの頃から馴染みだった、文化的遺産だ、親父は料理にこだわりがあって良かった、好きだったのになぜ閉店するんだ、その理由はお前らが行かなくなったからです。儲からないからやめるんですよ。もちろん親父の年齢もあるだろうけど、要するに歴史があるから、古いから、生活の大事なものだから、というだけでは事業は潰れるし、技術は時代遅れになるし、需要も無くなるのです。

 で、焦点は「上下分離」と「NHK(公共放送WG)」と「大手テレビ局系列のラジオ局の営業問題」に収斂していきます。一部では行政の怠慢だと怒る声もあるやに伺いましたが、お役所は市井の需要を生み出すジェネレーターでもないわけでして、必要とされていないAMラジオを救済するために登場した組織ではないのですよ。ただ、まだ成り立ってる都市部のAMラジオやテレビ局系列ラジオと皆さまのNHKとをどう束ねてひとつのラジオ経済圏として限界集落を持たせるのか議論しなければならないのも事実です。

 そんな中、IPv6のこともあってにわかに脚光を浴びているradikoのこともある一方で、カバーエリアの広さと遮蔽物に強い届きやすさとを駆使して災害用に残すという方法でいくならば、結局は公益性のあるAMラジオ的なものの維持はどこまでやるのかという話になるんじゃないかと思います。というかずっとその話をしてましたが、離れた後もその話をしていたので、今後もその話を延々と繰り返していくことでしょう。

 画像はAIが考えた『老舗だからってマズい蕎麦屋を維持する必要はないが、老舗ってだけで価値があると思う人たちが潰れたときに惜しむ定番ムーブ』です。


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山本一郎(やまもといちろう)
神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント